インフルエンザ治療薬リレンザ(一般名ザナミビル)を服用した横浜市の少年(12)が無意識のまま歩いて外に出たり、意味不明な話をしたりする異常行動を起こしていたことが7日、わかった。診察した病院は「因果関係が否定できない」とし、国に副作用として報告することを決めた。
病院側によると、少年は6日に医院を受診、インフルエンザと診断された。同日午後5時ごろ、処方されたリレンザなどを服用。直後から意味不明の言葉を発し、約4時間後には家族が目を離したすきに自宅外に出た。無意識のまま寝床を出て歩いたとみられる。少年は病院に運ばれ入院したが、夜中にベッド上で立ち上がり、壁をなでるなど異常行動が続いた。
服用後の異常行動はタミフルで問題となり、国は今年3月、10代患者への投与を原則禁止した。リレンザも同じくウイルスの増殖を抑えるタイプの治療薬。タミフルの使用制限を受けて今季の供給量は昨季の6倍にあたる300万人分に増える見通し。異常行動の報告は00年の発売以来、計10件あるが、行動の詳細が明らかになるのは初めて。
菅谷憲夫・けいゆう病院小児科部長は「異常行動はインフルエンザそのもので起きる可能性もある。薬の服用にかかわらず発症2日間は子どもから目を離さないで」と呼びかけている。
リレンザもタミフルと同様にインフルエンザのノイラミニダーゼを阻害する薬です。大きな違いといえば、タミフルは経口投与なのに対して、リレンザは経口ではあまり効果が得られないため、非経口経路での投与に限られているという点でしょうか。
タミフルの相次ぐ異常行動ゆえに、今年度はこのリレンザが活躍するのではないかといわれていましたが、これではタミフルと同じですねぇ。しかし記事の最後に書かれているように、インフルエンザ脳症の可能性も未だ捨て切れていませんので、果たしてリレンザの副作用なのかどうかは分からないところです。
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