2007年12月05日

飛行機内のエコノミークラス症候群は女性に集中している

エコノミー症候群:大半は女性 「トイレ行きたくない」水飲まず−−日医大が分析

 長時間の空の旅などで起きる「肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)」は女性客に集中的に発生していることが、日本医科大千葉北総病院などによる成田空港利用客のデータ分析で分かった。同病院は「女性患者にはトイレに行きたくないから水分を取らなかったという人が多い。水を飲まないのはよくない」と注意を呼びかけている。千葉市で開かれた日本航空医療学会で1日発表した。

 分析は、94年1月〜07年7月、重症の循環器病のため成田国際空港クリニックから同病院の集中治療室に転送された旅客72人(男性38人、女性34人、平均年齢59・7歳)を対象に実施した。

 最も多かったのはエコノミー症候群で31人。急性心筋梗塞23人、原因不明の胸痛5人、うっ血性心不全と不整脈各3人が続く。うち2人は病院で死亡した。

 エコノミー症候群の31人のうち29人は女性。31人中27人は帰りの飛行機着陸後に発症した。

 一方、急性心筋梗塞は23人中20人が男性だった。発症時期は、行きの飛行機に乗る前が7人、行きの機内4人、渡航先滞在中7人で、往路や滞在中が多い。

 エコノミー症候群は、長時間同じ姿勢をとることで、足などにできた血栓が肺の静脈に詰まり、呼吸困難になることもある。女性は更年期を境に、血液が固まりやすくなるとされる

 同病院の畑典武・集中治療部長は「肺血栓塞栓症を起こした女性患者の中には、10時間以上一度もトイレに行かなかった人もいる。じっとしていれば血流が悪くなるし、脱水状態は血栓ができやすい」と話す。



 脱水状態になりやすい長時間のフライトでは、水を多く摂取することと、尿意を感じるぐらいの時間の間隔でトイレに行きましょう。

 脱水状態で血液が濃くなるということと、長時間動かないでいることによる血液の鬱滞は、血栓形成を容易に引き起こします。

 血栓が出来るということは、動脈硬化や高血圧のように慢性的なものではなく、その血栓が肺動脈に詰まったらすぐ死に至るほど重篤なのです。飛行機のトイレってそんなに汚いというイメージはないのですが……どうしても行きたくないという人は、2,3時間おきに席から立ったほうがいいと思います。

関連
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医学処:車椅子でもエコノミークラス症候群。夏場の脱水状態に気をつけて
医学処:4時間以上動かない姿勢で、血栓ができる可能性が通常の約2倍に高まる
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posted by さじ at 02:21 | Comment(2) | TrackBack(0) | 救急
この記事へのコメント
すみません。 本筋から少し逸れたコメントです。

この「エコノミークラス症候群」って病名というか俗称は、どうなんでしょうか?
航空機のエコノミークラス搭乗者専用の疾病でもないんでしょ?
確かに、その確率は高いのかもしれませんが、
ビジネスクラスでもファーストクラスでも、大差なく起こり得るワケですもんね。
(※ サッカー日本代表・高原選手)

航空機ではなく、列車・バス・自家用車で長時間同じ姿勢でいれば、
発症する可能性も高いんですよね?

まぁ、要は何が言いたいのかと申し上げますと、
例えば、大地震の被災地における避難場所にて
“エコノミークラス症候群”云々と報道されても、
それを見聴きする方は、何かしっくりこない気がするのですが ...。

もっと素人にも分り易い“俗称的病名”はないものでしょうか?
分り易ければ、その予防も各自で気を付けるようになる気もしますけど ...。
Posted by 馬小屋 at 2007年12月05日 23:32
確かにその通りだと思います。サッカー高原も確かビジネスクラスだったような気が。

医学的には肺血栓塞栓症で統一されているんで一応問題はないんですけど、確かに一般の人にはわかりにくいかもしれませんね。致死的な病気なのでわかりやすいのがないと…

一応日本旅行学会では「旅行者血栓症」とか「ロングフライト症候群」みたいのを推しているようですが、あまりイメージ沸きませんね。

今考えてみたんですが、「座位血栓症候群」とか……。微妙ですかね
Posted by さじ at 2007年12月06日 16:19
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