2007年12月04日

ヒスタミンとカルシウムの関係にはSTIM1が関与している

「花粉症」「ぜんそく」…発症関与たんぱく質 理研チーム発見

 花粉症やぜんそくなどのアレルギー疾患の発症に関与する新たなたんぱく質を、理化学研究所の研究チームが発見し、3日の米科学誌「ネイチャー・イミュノロジー」(電子版)に発表した。

 日本人の約3割は何らかのアレルギーに悩まされているとされ、このたんぱく質を制御することで、新たな治療法の開発が期待される。

 アレルギーの症状は、体に入った異物(抗原)に刺激された特定の細胞から「ヒスタミン」という物質が分泌されて起きる。ヒスタミンは、細胞内のカルシウムが多くなると分泌されることが知られているが、カルシウム量がどのような仕組みで制御されているのか、よくわかっていなかった。

 研究チームが発見したのは「STIM1」というたんぱく質。遺伝子操作でSTIM1がないマウスを作り、その細胞を抗原で刺激すると、カルシウムの量が抑えられ、ヒスタミンの分泌量も著しく低下した。

 研究チームは、このたんぱく質が抗原の刺激で細胞表面近くに移動し、外からカルシウムを取り込む関門のような小器官を開く働きをしていると突き止めた。

 一方で、STIM1がないマウスはすぐに死亡し、細胞の生存に重要な役割を果たしていることもわかった。理研の黒崎知博グループディレクターは「新たな治療法の開発には、カルシウムの役割をより細かく突き止める必要がある」と話している。



 細胞の細かい働きといいますか、物質がどのように細胞膜、または細胞内の受容体に結合して作用を及ぼすのか、ということはかなり解明されていたように思っていましたが、まだまだ新発見が相次ぎそうです。

 たかがカルシウムイオンといえど、身体においての作用は膨大です。どこまでを医学に生かせばいいのかはわかりませんが、確実に1歩1歩、進んでいるように思います。

 しかし、毎度のことながら思うのですが、理研は凄いですね。様々なジャンルの学問に対して新発見を次々と生み出すスタンスと実力。日本を引っ張ってるという感じがして非常に好きですね。

関連
医学処:花粉症ワクチンは短期間の治療で数年間効果が持続する
医学処:喘息やアトピーなど、子供のアレルギー疾患が激増中。
医学処:樹状細胞のコントロールで、アレルギー疾患の治療を行う
広告
posted by さじ at 08:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 呼吸
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック