名古屋市の「名古屋形成クリニック」で美容整形手術を受けた愛知県尾張旭市の元接客業の男性(43)が「手術で鼻の穴の大きさやまぶた、あごの形が左右でアンバランスになり、仕事ができなくなった」として、同クリニックの医師に500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、名古屋地裁であった。
永野圧彦裁判長は「左右差が発生する可能性についての明確な説明はなかった」と説明義務違反を認め、医師に90万円の支払いを命じた。
永野裁判長は判決で、「人の顔は元来、完全に左右対称ではなく、手術後に非対称の部分が残っても診療契約違反とはいえない」とした上で、「手術で鼻の穴は左右差が多少大きくなったが、男性が気に病むほどの不均衡はない」と指摘した。
一方で、「鼻とこめかみの整形手術で左右差が発生する可能性や後遺症などを説明する義務を尽くしていない」として医師の賠償責任を認めた。
判決によると、男性は1995年1月から1年余りの間、10回以上にわたり、あごや鼻、まぶた、こめかみの整形手術を受けた。
医師は「手術前に十分説明したが、見解の相違があった。判決はやむを得ない」と話した。
うーん。美容形成って、保険が効きませんから、手術前の説明にはホント慎重にやっていると思うんですがねー。実際医師も十分説明はした、としています。実際どこまで言っていたのかは分かりませんが。
手術をしたところで、結果がどうなるかはわかりませんし、そのことは裁判所側も認めています。ただ、「説明をしたかどうか」の1点だけで、賠償金。でも説明したかどうかなんて、患者の口一つで変わってしまうことではないでしょうか?
その権限は患者側にあるのかなー。こんな訴訟が横行するようなら、説明したことを「全て」説明しましたよ、という同意書にサインさせないといけないことになってしまいますよね。
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