入れ歯で世界の子どもたちを救おう―。新発田市役所1階ロビーに28日、「入れ歯回収ボックス」が設置された。通常は捨てられる使用済み入れ歯から貴金属を取り出して精製し、発展途上国の子どもたちの福祉や地元の福祉活動に役立てようというもので、ボックス設置は日本海側では初めて。同日行われた設置式で片山吉忠市長は「市職員から市民へ、全県へと輪を広げていきたい」と呼び掛けた。
使用済み入れ歯の回収は、歯科医師や歯科技工士らで昨年12月に発足したNPO法人「日本入れ歯リサイクル協会」(本部・埼玉県坂戸市)が行っている。同協会が全国の自治体にボックス設置を呼び掛けており、新発田市は全国20番目。
同協会によると、入れ歯の金属部分に含まれる金、銀、パラジウム合金を精製して売ると平均で1個2500円、金属が多い入れ歯では5万円以上になるという。しかし“宝の山”の多くは、合わなくなって新しい入れ歯を作ったり、故人の遺品として残っていたりと、引き出しに眠ったままとなっている。同協会の試算では、年間50億円以上の貴金属が入れ歯とともに捨てられている。
協会では、これまでに約1万5000個、約2200万円分の入れ歯を集めた。貴金属を売って得たお金のうち、45%を日本ユニセフ、45%は地元の社会福祉協議会にそれぞれ寄付し、残り10%が協会の運営資金に。入れ歯1個で、毛布は8枚、予防接種の注射針は250人分を賄えるという。
使用済み入れ歯をボックスに入れる際は、あらかじめ熱湯で消毒するか入れ歯洗浄剤できれいにし、ボックスに備え付けのビニール袋に入れる。問い合わせは同協会、049(289)5366。
まだまだ認知度の低い入れ歯回収ですが、是非とも広がってほしい運動です。
新発田市でのボックス設置は、9月定例市議会で、ある市議が入れ歯リサイクルについて質問したことがきっかけ。10年前から入れ歯を愛用している片山市長が活動に共鳴し、自らの使用済み入れ歯を同協会に郵送するとともに、設置準備を市市民生活部に指示した。
いやー、いい市長ですね。こういう運動に共鳴して、活動としてしまうところが非常にナイスです。
1個当たりの寄付金額も大きい上に、たんすで眠っているようなものですから、どうぞ積極的にご参加下さい。
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医学処:不要になった入れ歯をリサイクルして福祉の役に立てよう。
入れ歯リサイクルを広げる活動をしている全国入れ歯リサイクルセンターの松永と申します。
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