17日付の英紙デーリー・テレグラフは、世界初の体細胞クローン動物である羊のドリーを誕生させた英国のイアン・ウィルムット博士が、ヒトクローン胚研究を断念する方針を決めたと報じた。京都大の山中伸弥教授らが研究している別の手法の方が、治療用の万能細胞づくりには有望だと判断したためという。クローン研究のパイオニアの方針転換は、世界の研究者に衝撃を与えそうだ。
ヒトクローン胚研究は、多様な細胞に成長できる万能性を備え、かつ拒絶反応の心配もない胚性幹細胞(ES細胞)づくりに役立つとされ、ウィルムット博士も2年前に英政府機関から研究の認可を受けていた。だが多数の卵子が必要で倫理的問題も指摘されている。
山中教授は昨年、マウスの皮膚細胞に遺伝子操作を加え、ES細胞に似た性質を持たせることに世界で初めて成功。卵子を使わず、体細胞だけから万能細胞をつくれる可能性を示した。博士は同紙に、断念したのは「数週間前」と明かした。
伝説の羊、ドリーの生みの親を完敗させたのは、日本の山中教授!さすがです。
ちなみに、記事中にあります山中伸弥教授のニュースはこちら
そういえばアメリカ大統領だけでなく、ローマ法王庁も、山中伸弥教授に称賛の声明を発表していましたね。それぐらいキリスト教圏にはインパクトのある研究でした。