西洋料理などで使うハーブのローズマリーに多く含まれるカルノシン酸に、脳の神経細胞が細胞死するのを防ぐ効果があることを岩手大など日米合同研究チームが突き止め、22日発表する。アルツハイマー病やパーキンソン病の予防や治療をする新薬につながる成果だという。
米国では、医薬品への応用に向けたプロジェクトが始まった。成分を使ったサプリメントも製品化される予定だ。
岩手大の佐藤拓己准教授(神経工学)らは、マウスの右脳の動脈をクリップで2時間閉じて人工的に脳の神経細胞が死ぬ状況を作った。カルノシン酸を事前に注射したマウスとしないマウス各9匹で、24時間後に脳の変化を比べた。
注射しなかったマウスは右脳の52%が壊死していたが、注射したマウスでは壊死部分が34%にとどまり、カルノシン酸に強い脳細胞保護効果があることを実証した。
カルノシン酸が細胞死を抑える遺伝子を活性化することも解明し、認知症など脳神経細胞の細胞死に関連する病気の予防や治療に応用できる可能性を示した。
佐藤准教授は「認知力が衰え始める前に発症を予防できる可能性がある。神経回路を再生する力も高く、治療効果も期待できる」と話している。
古来より人とともにあるハーブ。薬用として長きに渡って用いられてきましたが、まだまだその可能性は広がりそうです。植物1つからこれだけ生物に及ぼす作用があるなんて、凄いですよね。
ローズマリーには他にも、消臭効果や殺菌作用などがあります。更に、ポリフェノールの含量も非常に高く、炎症抑制作用もあるそうです。ロズマリン酸には、花粉症の症状を和らげる作用も。
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