先ごろ発覚したニセ募金事件。HP上で「おさむちゃんを救う会」なる会を騙り、子供の海外での心臓移植費1億7000万円を募るという悪質なものだった。被害金額は明らかではないが、これまで地道に募金活動を行ってきた人たちは困惑している。
「まじめな募金活動まで、はじめから疑った目でみられるようになっては困る」と話すのは、海外での移植手術を望む患者らを支援する民間団体「トリオ・ジャパン」の荒波嘉男事務局長。同団体は今回のニセ募金事件で勝手に名前を使われた被害者でもある。
「脳死での臓器提供は米国では年間6000例、日本はこの10年で62例。そもそも日本の患者を日本で助けられないのが問題」(荒波事務局長)といった事情はあるが、ドナーが増えるような法改正がない限り、善意の募金に頼るほか、移植を待つ患者を救う道はないのが現状。
今回、指定振込先のネットバンクには実際に振り込みが確認されたというが、「そもそもホームページだけの募金の呼びかけはありえない」と荒波事務局長。今後も同様の詐欺が出ないともかぎらない。募金詐欺を見分けるポイントを考えてみた。
募金で移植を受ける際、最初に行うのが患者の支援者による「救う会」の結成。「トリオ−」では実際に募金活動を始める前に、必ず地元の県庁で医師同席のもと記者会見を開くことをアドバイスしているという。
「基本的にまずは記者会見がスタートになる。だから、新聞やテレビで聞いたことのないような募金活動は怪しいと思った方がいい。街頭で呼びかけを行う場合も、掲載した新聞記事を使ったりしていますから」(荒波事務局長)
事務局の住所、電話、代表者の名前は必ずチェックするように。今回のニセ募金事件では、「おさむちゃんを救う会」の連絡先は「設置予定」と不明瞭だった。
また、通常「救う会」は第三者によって結成されるので、「募金を管理する代表者や会計責任者に患者の家族や親族がなることはないと思った方がいい」(同)。
募金の振込先についても、指定が1つというのは不自然で、募金者が振り込みやすいように都市銀、地方銀、ゆうちょ銀など3−4行の指定があるという。
移植手術を騙った募金詐欺。
人として終わっている犯罪だと思います。
募金という善意を食い物にする犯罪は、宗教絡みでも横行しています。騙して募金させようとする信者も終わっていますが、正しいと信じて行っている信者も余計にタチが悪い。
騙されるほうも悪い、とは言いますが、募金をするのに「疑ってかかる」のも、おかしな話ですよね。善意によるものなのに、そこに疑念がわく。まるで今のぎこちない社会みたいじゃないですか。あー、なんか嫌だわ。理不尽。
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