医師不足が深刻化する中、産婦人科と小児科の診療を休止する病院が増えていることが15日、日本病院団体協議会の初の調査でわかった。
医師の採用枠を満たせない病院も4分の3に上り、協議会は「医師不足が予想以上に進んだことや、医療費抑制による経営圧迫の影響」と分析している。
調査は今年8〜9月、アンケート方式で行い、全国の病院の32%に当たる2837病院から回答を得た。
それによると、2004年度以降に診療科を休止した病院は、回答した病院の16%にあたる439病院。このうち、産婦人科の診療を休止した病院が71病院、小児科の休止も67病院と多かった。以下、精神科の34病院、耳鼻咽喉科、皮膚科の各33病院などが続き、激務や訴訟リスクの高さなどで医師確保が難しいと指摘される産婦人科と小児科の休止が突出していた。
産婦人科は都道府県立など自治体運営の病院で、小児科は民間の医療法人の病院で休止が多かった。
06年度に医師を募集した病院のうち、計76%が医師を十分確保できなかった。
06年度は全体の43%が赤字。協議会では「病院医療の崩壊が現実になりつつある。奈良の妊婦が受け入れを次々に拒否された問題は氷山の一角。いつ日本中で起こってもおかしくない」と指摘している。
募集した病院の3/4が医師を確保できなかったというのは、病院側の責任なんでしょうか。絶対数が少なすぎるということや、現状を無視した医療改革を行ったということですよね、要するに。それは臨床にいる医者とお役人であられる厚生労働省さまの間にギャップが生じているということに他ならないと思います。
簡単な解決法としては、医学部定員を増やせばいいんですが、そうすると1人あたり数千万の負担を、国が負担しなければなりません(たとえ私立大学であっても、国からの補助金は出ています)。医療費を減らせ減らせと時代に逆行している中、財布の紐が固いお役人さまが、補助金を増やすとは考えにくいですよね。
・・・よく考えれば、こういう出費を極度に嫌うくせに、消費税増税には軽くOKしてしまうあたり、ホント国のこと考えてないナァという気がします。いや増税は最終的に必要だとは思いますけれど、医療費が足りないから削る努力をしているように、増税する前に無駄なコストをできるだけ削る努力をしてから言いなさいヨ、と。
関連
医学処:日本の医師数は、人口1000人あたりわずか2人で主要7ヶ国で最低。
医学処:消化器外科医が不足しており過労のまま手術している現状
医学処:現場を離れた女性医師の復帰を支援する病院に補助金を出す。