2007年10月18日

臓器移植法施行から10年。助かった人数209人。

脳死臓器移植 10年で低調61件

 脳死下での臓器提供に道を開いた臓器移植法施行から16日で、10年が経過した。15日、大津市の大津赤十字病院で50歳代の女性が脳死と判定され、同法に基づく脳死判定は63件(移植は62件目となる見通し)となった。

 これまで臓器は計243人に移植され、うち209人が生存しているが、小中節子・日本臓器移植ネットワーク理事は、「他国に比べると、決して多くない」と指摘する。

 移植件数が伸びないのは、臓器提供に必要な「意思表示カード」保有率の低さと書面同意を義務づける現行法の壁がある。内閣府の昨年の調査によると、カード保有率は8%、常時携行者も1・6%と低調。国会では、本人の意思が不明でも家族同意で臓器提供できるとする抜本改正案と、提供可能年齢を現行の15歳から12歳に引き下げる緩和案が議員立法で提出されているが、審議は進んでいない。





 もしこれでドナーカードがより普及したら、とか、小さい子供に対しても行えるようになれば、とか考えると、より助かる命が増えるわけですし、他国の臓器をお金で「買う」必要もなくなるわけですし、いいことづくめなんですけれども。

 確かに他国とくらべると少ないんですけど……既に「209人の命が助かっている」と見ると、今はこれだけの人が助かったんだという思いに浸りたい気持ちです。10年。脳死で提供して下さった方の想いによって200人を超える人が救われたんだなぁ。。。

関連
医学処:ねんがんの臓器提供意思表示カードをてにいれたぞ!
医学処:臓器移植法を改正すれば救える命のことを考えよう
医学処:臓器提供者(ドナー)への休業補償を容認する案
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posted by さじ at 23:55 | Comment(5) | TrackBack(0) | 移植
この記事へのコメント
日本で何故臓器移植が進まないか・・・。
アメリカでは主にキリスト教(細かい物も含めて)が多いのですが、人間が死ぬと天国へ行き肉体は単なる器って考えのようなんです。
日本って遺体にこだわりますよね。
例えば事故や災害などで明らかに亡くなっていても「とにかく遺体を収容する」と言うことに全力を尽くしますよね。
アメリカって遺体にはこだわらない感じを受けます。

これは宗教どうのこうのよりも国の道徳観とでもいうのか、死んだらどうなるか・・・ってそもそも考えの違いだとしか思えません。

娘は腎臓が悪く今も色々大変です。
なので良く夫婦でも移植に関して話します。
夫はアメリカ人なのですが、もし娘に移植が必要なら希望すると言います。
私は「もし娘が死んだら娘の臓器はあげたくないから移植はしたくない」と考えます。
でも、夫は「どうせ焼いちゃうんだよ、だったら人にあげた方が良いじゃない。」って言います。

私も夫も無宗教なんですが、これは育ちの中で死に対してやボディに対しての根本的な考えの違いなのでは。。。って思うのです。
日本人にいくら移植を進めたところでこれ以上増えないのでは・・って思ってしまうんですよね。
どうせ焼くんですけど。

なんかまとまらない文で申し訳ないです。

自分が臓器提供するのは出来るんです。
でも、娘のを・・って考えると出来ない、本当に複雑なんです。
なんででしょうね。
Posted by どんぐり at 2007年10月19日 00:36
死後の世界に肉体が必要と考えられているのが日本で、アメリカは魂、ってところですかね。

どうせ焼くから人にあげたほうがいい、という旦那様の考え方と私の考え方は、結構一致していますね、これでも日本人なんですが。笑

キリスト教と仏教の両親の中で育ち、現在無宗教なため、このように考えてしまうのかもしれません。

確かに私も、自分のなら構わないけれど子供のはどうかというと。自分の子供が死ぬということを前提として考えているためですかね。何で自分の子供が死んで、その子供の臓器で他の人が助かっているんだといういたたまれなさもあるかもしれません。そう考えると、複雑ですね。良くも悪くも個人主義について考えてしまいます。

Posted by さじ at 2007年10月23日 08:49
レスありがとうございます。
でも、違うんです。
娘は産まれてから何度も手術や入院をしたので、病気で入院している子はみな仲間で戦友です。
移植の子もいます。
本当に心から良くなって欲しいと思います。

私が躊躇しているのは娘の亡骸を傷つけることなんです。
そう、どうせ焼いてしまうんですが、内臓や目などを全部とってしまって、天国や来世でちゃんとやっていけるのか・・・・。
なんて本気で思ってしまうバカ親です。

こういう風に考えてしまうのはやはり日本独特の考えなんでしょうか、でも私のように考える人が多いのも事実なんですよね。

臓器をもらうだけもらって自分やそれを応援している人たち(親や兄弟や知人など)が臓器提供しないというのはダメだと思うんです。

日本のそもそもの考えを根底から変えないと臓器提供は進まないだろうなーって思います。
私は今、さじさんのこのやりとりで今までより真剣に考えて臓器提供に前向きになっています。

しつこく書き込みしてスミマセンでした。

それと女性の泌尿器科の先生はとても嬉しいです。
娘は泌尿器科と縁が切れないのでこれから女性の泌尿器科の先生がどんどん増えてくれると有りがたいですね。
Posted by どんぐり at 2007年10月23日 23:54
いえいえ、良いご意見を書き込んでいただいて、私としても嬉しい限りです。

日本と欧米とでは国としての成長の仕方が違うのですから、風土や価値観が違っても別にいいんでしょうけれど、医学においては「西洋医学」ですからね。私は命が救えるなら、と考えてしまいますが、子供のことに対する倫理観などを考慮すると考え込んでしまうことが多いですね。

でもこうやって、議論して、最良の道を模索できたらいいな、と思います。そして行動することですね。

泌尿器科医の女医はニーズがありますからね。プロ意識をもった研修医ならば今後の選択枝として検討してくれる気がします。
Posted by さじ at 2007年10月27日 18:49
かわいそうで泣けてきました。。。

Posted by かつのまん at 2009年07月09日 10:31
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