2007年10月18日

年をとっても、自己実現欲や性欲などはなくならない

「高齢者ノンフィクション」次々

 年を取ると、人生を達観し、他者に寛容になる。若年世代が抱きがちな固定観念を、真っ向から否定するインタビューやノンフィクションが、当の高齢者などによって相次いで刊行された。

 肉体は衰えても、自己実現欲や性欲などはなくならない――。こうした実像を、改めて認識するきっかけになりそうだ。

 5月に刊行された「いのちのレッスン」(青草書房)は、95歳にして現役の映画監督、新藤兼人さんへのインタビュー集だ。新藤さんは、体の衰えは自覚しつつも、新作の構想があふれる今の心境を、「昨日のつづきの、そのままの道をヨクとトクにまみれて」いると表現する。「静かな心の美しい枯れ木」など、自身が若いころイメージし、一般的にも思われている高齢者像はうそだと言い切る

 30年以上秘書を務める花安静香さん(77)によると、新藤さんが高齢者としての実感をエッセーに書き始めたのは、70歳以降という。80歳を過ぎてからの監督作品でも、生きることと向き合う高齢者を描いてきた。

 8月に刊行されたノンフィクション「暴走老人!」(文芸春秋)は、立ち読みを注意したコンビニ店員をチェーンソーで脅したり、店員の対応に腹を立て長時間どなり続けたりする“キレる”高齢者の実例を多数紹介している。一方で、「気長で他者に寛容」「無害で弱者」といった高齢者に対する固定観念が根強い現状に疑問を投げかける。

 著者の藤原智美さん(52)は「老人はかつてのような少数派ではない。家族、地域社会といった高齢者を包み込んでいたシステムが崩れ、個としての老人があぶり出されているが、我々は相変わらず『物わかりのよい老人』ばかりを思い描く。問題を起こす老人の背景を掘り下げて考えようとせず、ばかげた事例としてしかとらえないのは問題」と警鐘を鳴らす。



 高齢者が「ものわかりが良い」わけがありません

 加齢によって、物分りが柔軟になることはないと思います。もし物分りの良い老人がいたならば、それは若いときに、相当物分りが良かっただけです。

 加齢によって、その人の性格が露呈するのが老化現象の1つだと思います。キレやすい人が老人になればよりキレやすくなるのではないでしょうか。少なくとも私のまわりの老人は、ものわかりがいい人ばかりではありませんねぇ。強気な人も勿論いますし、こちらが何を言っても頑として譲らない人もいます。

 良すぎる高齢者像を捨て、「おじいちゃんおばあちゃん」とひとくくりにせず個人として年齢を超えてみてほしいというのが現状ではないですかね。田舎のようなおだやかさで接してほしいわけではないのかもしれません。

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posted by さじ at 22:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護
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