日本に集中する、原因不明の子どもの病気・川崎病の患者が05年、06年とも1万人を超えたことが中村好一・自治医大教授(公衆衛生学)らの全国調査で分かった。爆発的流行のあった82年、86年以来のことで、2年連続は初めて。4歳以下の乳幼児に多く、発熱、発疹、目の充血などが特徴で、心臓に後遺症を残すことがある。40年前に川崎富作博士が報告した病気だ。
小児科のある病院に調査用紙を送り、2年分の患者の病状や治療経過を聞いた。993病院から05年1万41人、06年1万434人の患者が報告され、患者総計は22万5000人余になった。
中村さんは「90年代半ばから患者は増え続け、疫学的には流行状態だ。病気にかかる率は06年は男女とも86年を超え、82年に次ぐ史上2番目になった。毎年約300人の心臓後遺症の子どもが出ており、治療法、原因などの研究が必要だ」と指摘している。
数少ない日本人の名前がついた疾患として有名な川崎病です。英語でもKawasaki diseaseとされています。
川崎病は原因不明の疾患で、全身の血管壁に炎症を生じます。症状としては、39度の熱から始まり、これは数日間(5日以上)続きます。四肢が腫れ、発疹がみられ、目が充血し、口唇が真っ赤に腫れ、「いちご」の表面のようにポツポツと腫れた舌(いちご舌)を呈します。
特に注意しなければならないのが、心臓の冠動脈の炎症です。冠動脈に動脈瘤が生じ、心筋梗塞を起こしたりします。これは、突然死の原因にもなります。