薬で血圧を下げている高血圧患者では、昼間の血圧にかかわらず、就寝中の血圧が高いほど、脳卒中や心筋梗塞などの脳心血管疾患を起こしやすいことがわかった。今井潤・東北大教授(臨床薬学)らが6日、大規模な国際共同研究の結果を英医学誌ランセットに報告した。朝飲んだ降圧薬の効果が切れ、睡眠中の血圧が十分に下がっていない可能性がある。
開始時に血圧を24時間測り、その後の発症率を調べた。開始時に降圧薬を飲んでいなかった5821人(うち約3割は高血圧患者とみられる)では、9%の人が脳心血管疾患を起こした。昼、夜ともに血圧が高い人ほど発症率が高かった。
これに対し、降圧薬を飲んでいた1637人では、約25%の人に発症があった。昼の血圧と脳心血管疾患の発症率には関係が見られなかったが、就寝中の上(収縮期)の血圧が90で約15%、110で約20%、130では約25%などと高いほど発症率が大きくなった。共同研究グループは、就寝中の上の血圧は120以上が高血圧としている。
東北大の大久保孝義准教授は「就寝中の血圧を測って降圧薬の効果を判定し、十分でない場合は寝る前に服薬するなどの対策が必要ではないか」としている。
就寝中も下げなければ解決にはなりませんからね。しかし意識できない上に血圧測定も容易でないため、発見が遅れてしまうのが現状でしょう。この認識が広まらないと、一般病院では発見することは不可能でしょうね。
関連
医学処:衝撃波で糖尿病や高血圧のリスクが増加
医学処:びわ茶に血糖値と血圧上昇を抑制する作用
医学処:鎮痛剤をほぼ毎日服用する人は高血圧になるリスクが3割増える