岡山大大学院医歯薬学総合研究科の綿矢有佑教授(薬学)のグループが20日、薬剤耐性のあるマラリアに有効な物質の開発に成功したと発表した。
09年から臨床試験を実施する。マラリアには世界で年間3億〜5億人が感染し、150万〜270万人が死亡しているとされる。この物質を使った新薬が開発、量産されれば、1錠数十円程度での提供も可能という。
マラリアは熱帯・亜熱帯のハマダラ蚊を媒介してマラリア原虫が体内に入り、発熱や貧血などを起こす感染症。重症化すると死亡する。治療には「クロロキン」などの特効薬があるが、1955年ごろから、薬剤耐性を持つマラリアが現れるようになった。
綿矢教授らは、5000の化合物で実験した際、炭素、酸素、水素が結びついた「環状過酸化化合物」の一種に、マラリア原虫を死滅させる効果があることを確認。薬剤耐性を持つマラリアに感染させたネズミなどで実験したところ完治し、副作用もみられなかった。
綿矢教授は「被害はアフリカなどの発展途上国に多い。少しでも安価な治療薬の開発につなげたい」と話している。
立派な人だなぁ。
しかし5000もの化合物を試したというのが凄いですね。野口英世も、天才的というよりは執念で菌の分離に成功してきたそうですが。こういう研究だったら忍耐強い日本人のほうが向いているのかもしれないなぁと思った次第であります。
マラリアは、今でこそ人事のように扱っていますが、温暖化の影響でもしも日本の気候が上がったら、ハマダラ蚊が生息して日本でもマラリアが増えるのではないかと言われています。
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日本国内では、1903年(明治36年)のマラリア患者数は20万人もいたのに、1935年(昭和10年)には3,000人にまで激減したそうです。ちなみに、北海道(←冷帯です。実際、明治35年1月25日の北海道旭川市の最低気温は氷点下41.0℃でした)でも、マラリアが流行していました。DDTが日本国内に普及する前ですので、激減したのは、おそらく、開発が進んだためでしょう。したがって、今の日本は、開発が進んでいますから、マラリアに関しては、それほど、心配する必要はないのではないかと、私は下記のサイトを読んで、考えました。
http://www.marusans.co.jp/home/sanitarnews/1999/08/02.html