2007年10月01日

B型肝炎ウイルスの、父子感染の割合が増えている。

B型肝炎、父子感染拡大…育児で接触増加が原因か

 肝臓がんなどを招く恐れがある乳幼児期のB型肝炎ウイルス(HBV)について、母子間の感染が減る一方、父子感染の割合が高まっている

 育児に父親が参加する機会が増えていることが背景とみられ、乳児期のワクチン接種など早急な対策が求められる。

 B型肝炎は血液や体液、唾液を介して感染し、ウイルスを持つ持続感染者(キャリア)が国内で100万人以上いる。成人の場合、感染しても多くは自然に治るが、3歳未満で感染すると、一部がキャリアになる。このため母親がキャリアの場合、1986年以降、生後すぐに子供にワクチン接種が行われ、母子感染は10分の1以下に激減した。

 一方、父子感染の割合は高まってきた。済生会横浜市東部病院こどもセンターの藤澤知雄部長らが、母子感染以外でキャリアとなり、防衛医大病院などを受診した子供を対象に、家族の血液検査などを実施。父子感染が原因だったのは、85年までの10年間で感染者20人のうち8人(40%)だったが、86年から昨年までは15人中11人(73%)と増えた。

 母親は妊娠時にB型肝炎検査を受けるが、父親は調べないため感染がわからず、子供へのワクチン接種も行われない。藤澤部長は「父子の接触が濃厚になり、キスや食物の口移し、同じスプーンを使うことなどで感染が起きているのではないか」とみる。

 母子感染は胎内感染もあり、一昨年報告された全国25医療機関への調査では、小児の感染原因の3分の2を占めたが、それまであまり報告されていなかった父子感染も1割あった。父親になる20〜40歳代の0・6%はHBVキャリアとされる。



 虫歯のためにも、食べ物の口移しなどはよろしくないとされていますが、B型肝炎のリスクとなるようですので、より推奨できませんね。かわいくてやってしまうのでしょうけれど。

 母親から新生児にうつる方法にはいくつかあります。まずは、「胎盤感染」です。これらは先天性の異常となる可能性があります。続いて、産道感染。胎児が出産時に産道を通過することで感染します。このときに感染するのが、B型肝炎ウイルス(HBV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、単純ヘルペスウイルス、B群溶血性レンサ球菌などです。出産後の感染経路としては、母乳感染が挙げられます。文字通り、母乳を通じて感染するもので、成人T細胞白血病ウイルス(HTLV-I)、HIVなどがあります。

 確かに父親が義務として検査することってあまりありませんからね。自覚症状がないので自分がウイルスを持っているなんて気付かないかもしれません。しかし、赤ん坊にとっては大敵です。

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posted by さじ at 01:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染
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