道化師の格好で、闘病生活を送る子どもたちと一緒に遊び、心を癒やす――。そんなクリニクラウン(臨床道化師)を各地の病院に派遣しているNPO法人「日本クリニクラウン協会」(事務局・大阪市)が、今月からインターネットによる交流事業を始めた。
同協会は「ネットを通じ、直接会えない子どもたちを一人でも多く励ましたい」と話している。
富山市の笠井功治さん(43)、千晴さん(33)夫妻は、昨年7月に長女の円来(つぶら)ちゃん(当時6歳)が小児がんの一種、神経芽細胞腫で亡くなるまでの2か月間、転院先の大阪府和泉市の病院でクリニクラウンと遊べたことを、「とても楽しい思い出になったはず」と振り返る。
カラフルな服装に赤い鼻をつけて病室に現れ、「こっちに来て」と声をかけると聞こえない振りをして離れていったり、カエルの顔が描かれた子ども用の座布団をお面代わりにして遊んだり。1回につき、接するのは15分ほどだが、円来ちゃんは毎週、「いつ来るかな」と楽しみにし、体調がすぐれなくてもクラウンが来る日は、お気に入りの服を着て、ベッドから起きて出迎えた。千晴さんは、「誰とも遊びたくないとふさぎこんでいた転院前に比べると、明らかに変化があった」と言う。
クリニクラウンはクリニック(病院)とクラウン(道化師)の造語で、オランダなどで活動が盛んだ。同協会は一昨年から、オーディションに合格した人に、約1年間の研修で子どもとの接し方や児童心理、保健衛生などの基礎知識を身につけてもらった上で、病院に派遣。現在は15人のクラウンが東京都や大阪府、茨城県などの計7病院を定期的に訪問している。
活動が知られるにつれて派遣要請も増えてきたが、人数が少なく、応じられないケースもあるため、同協会では、インターネットを利用することにした。相手の顔を見ながら会話するのに使うウェブカメラをインターネットに接続、クラウンが闘病中の子どもとテレビ電話のような形で週1回、コミュニケーションをとる。このほか、クラウンの動作をあらかじめ撮影し、その映像の配信も始めた。
塚原成幸事務局長(40)は、「ネットの利点を生かせば、派遣のハードルでもあった時間や距離の問題もなくなる」と意気込む。笠井千晴さんも「心を和ませるクラウンとネット上でも会えるなら、闘病中の子どもたちにとってこんなうれしいことはない」と話す。
ネット活用事業は、来年2月まで試行した後、本格実施する。協会では、試行に協力してくれる病院や、子どもが自宅療養中の家庭を募集している。通信費のみ利用者負担で、ウェブカメラも貸し出す。問い合わせは同協会(06・6575・5592)へ。
やはり人気なんですねぇ。出来たばかりなのに、需要はある。子供たちも確かに喜んでくれている。笑顔を増やせる仕事。
そういえば、以前クリニクラウンの記事を取り上げた時に興味を持ってくれたヤナギサワさんはどうなったかな、と、ほのかに回想してしまいます。
クリニクラウン、やりがいのある仕事です。クラウンのほうでも、運営ボランティアのほうでも、興味のある方は是非!
関連
医学処:子供たちに笑顔を。臨床道化師(クリニクラウン)募集中。
この「クリニクラウン」を Wikipedia で検索してみました。
(中略)
「本格的に始まる機運は、2003年初頭、事故で娘が入院した
日本在住オランダ人夫妻の「なぜ日本の小児病院にはクリニクラウンがいないの?」
という彼らにとっては至極素朴な疑問が契機になった。
この質問を受けたオランダ総領事館がクリニクラウン財団に要請して
始まったオランダ人クラウンの派遣が少しずつ医療の場に浸透していった。」
(以下略)
これが、本邦におけるクリニクラウン発展の起爆剤になったんですね。
何が言いたいかといいますと
“この質問を受けたオランダ総領事館がクリニクラウン財団に要請して〜”です。
外交官と雖も Public(Civil)Servant としての意識が徹底していますね。
どこかの国の“お役人様、しかも外交官様”に、類似の事を頼んでも、多分、無理、っぽい ...。
さすがオランダ、ですね。リベラルながらも、市民のために行動する姿勢は流石。日本も見習わないといけませんね…。