依存性が高く若者の間で乱用が広がっている向精神薬「リタリン」について、製造販売元の「ノバルティスファーマ」(東京都港区)は、適応症から難治性・遷延性うつ病を除外する方針を固めた。
同社は、精神・神経関連の学会の了承を得たうえで、近く厚生労働省に削除を申請する見通し。厚労省によると、製薬会社側から適応症の除外を申請されるのは異例という。
同社などによると、リタリンは、中枢神経興奮剤「塩酸メチルフェニデート」の商品名。1958年に販売を開始し、78年に睡眠障害「ナルコレプシー」への効用が追加された。当初は軽症のうつ病が対象だったが、依存性が高く、興奮や覚せい効果をもたらすため、患者が診療所や薬局を渡り歩いて大量服用したり、適応症でない人が乱用するなどの問題行為が90年代から急増、98年に難治性うつ病・遷延性うつ病に適応が限定されている。2006年の販売実績は、3370万錠で02年の1・2倍。
厚労省によると、今年7月末から、同社と協議を始め、「優れた抗うつ薬はほかにも開発されている」ことなどから、うつ病が適応症から除外される方向性になったという。うつ病でのリタリン処方は医療保険の適用外となるが、医師の判断で処方自体は可能。ただ、乱用者らがうつ病と偽って医師から処方を受けようとするケースなどには、一定の歯止めがかけられる。
リタリンを巡っては、東京都が18日、過剰処方していた疑いで新宿区の診療所「東京クリニック」に立ち入り検査している。
これは凄い。製薬会社側から言うなんて。確かにリタリンは悪名高くなりすぎましたね。
良い抗うつ薬も沢山できていますし、種類も増えていますから、あとはその組み合わせ、個人差、投薬量などを考慮して、患者さんと二人三脚で調整していけば、かなりの効果を期待できます。わざわざリタリンを出す必要もないかな、というのは確かにありますね。
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