社会福祉法人「北海道いのちの電話」((電)011・231・4343、事務局・札幌)の二○○六年の相談電話件数が、一万六千六百九十二件と、過去十年間で最低だったことが同法人のまとめでわかった。自殺防止のため二十四時間、悩みを受け付けているが、相談件数減少の背景には相談員不足がある。
相談件数は一九九七年から毎年、約一万七千件前後で推移していたが、○三年の一万九千二百十八件をピークに減少している。
現在の相談員は百六十人で、全員ボランティア。一日を六コマに分け、各コマを二人で対応しているが、自殺者が増える中、深刻な相談が多く、いたずら電話が回線をふさぐなどで、つながりにくくなっている。
湯本俊夫事務局長によると、現在の二十四時間体制を維持するには最低で二百人が必要。○五年の調査で、かかってきた一日平均千八十四件の電話のうち、相談員が話を聞けたのは四十七件でわずか4%だった。
いのちの電話相談員の不足は、全国的な課題。親の介護や、経済的にゆとりがなくなり、活動をやめざるを得ない人が増えているほか、「研修費も自己負担の無償ボランティアを敬遠する人も多い」(湯本事務局長)という。同法人が七月に始めた今年の相談員養成講座も、定員四十人に対し十四人しか集まらなかった。
日本いのちの電話連盟(東京)の岡本正子事務局長は「自殺が増加する中で、いのちの電話の社会的責任を感じている。活動への理解を広め、相談員を確保したい」と話す。
思った以上に不足していますね。アメリカの医療の凄く良い所は、暇な人は病院ボランティアを積極的に行っている点ですね。
しかし日本では不足していると思います。ボランティアという概念そのものが日本には浸透していないという感じです。でも昔から日本では助け合いなどの、相手のことを考えて行動するという精神は養われていると思うんですよね。社会が巨大化してきたために、小さな助け合い、それも「黙して助ける」ことでは対応できなくなっているんでしょうか。そういう意味では、強く自分を主張するアメリカだからこそ、病院ボランティアは成功したという感じがします。
日本も昔のように小さな村同士で助け合うことはなくなり、大きく成長した社会についていくので手一杯になってしまいました。病院も人手不足、赤字続きでボランティアが不足しています。病院で直接働かずとも、「いのちの電話」などのように話をすることをメインにしたボランティアもあります。やる価値、やる意義は十分にありますし、社会にとってこれからも必要な役割です。是非お願いします。
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