08年度の診療報酬改定を見据え、厚生労働省が開業医を対象に実施中の、時間外診療実態調査が医療現場の混乱を招いている。「夜間、休日の診療状況を調べ、時間外の報酬を検討する」というのが厚労省の言い分。しかし、「時間外診療をしない開業医の収入を減らすのが目的」と受け止めて回答を拒否する医師が相次ぎ、大阪府医師会が「非協力」を組織決定するという異例の事態になっている。
問題の調査は、夜間診療に積極的な愛知、京都、大阪と、そうでないとされる岩手、山口、熊本の6府県の開業医が対象。日本医師会を通じ、7、8月の14日分について(1)夜間、休日の受付患者数(2)時間外加算額(3)時間外往診件数−−などを回答するよう求めている。普通のアンケートにみえるが、回答する側は「厚労省の本音が透けている」と警戒している。
厚労省は次期診療報酬改定で、開業医の時間外報酬を手厚くする代わりに初・再診料を引き下げ、夜間や休日に診療をしない開業医の収入を抑える意向だ。同省の思惑を感じ取ったという大阪府医師会は、理事会で「調査への非協力」を決定。茂松茂人理事は「厚労省調査では、昼間の努力が反映されない。開業医が夜診に積極的でない印象を与え、報酬を減らす方へ誘導する狙いがうかがえる」と話す。
医師個人の拒否も増えている。熊本県の医師は「所得記載欄まである。夜診をしている医師の収入を知りたいというが、余計なお世話だ」と話す。周囲でも回答していない医師が多いという。
厚労省は騒動に沈黙したままだが、大阪府医師会は昼間の往診件数なども独自に調べ、厚労省から回答を求められれば、独自調査の結果を示すという。
なんだ…開業医だけか…びっくりした…。
まぁ正直、開業医なら、適応してもアリかなって気はしますね。総合病院の勤務医ほど過労、低賃金で働いていますから。その格差をなくすためならいいんじゃないですかね。その分、勤務医の時間外労働に補填するというのが条件ですけど。
厚生労働省は、自分たちの痛みを無視して、医者だけに負担を強いていますよね。その姿勢がものすごく気に食わない。国民医療費増加の根源は医者の懐だと、本気で言ってそうな論調ですし。そのためにわざわざマスコミを動員しての医者バッシングが過去何年も続けられてきましたが、結局どうなりましたでしょうか。
役人って自分たちの生きている時代に汚点を残さなければ現状維持で!っていうスタンスだからいけないんですかね?今の役人の昇進システムを変えれば、公共事業費にまで切り込んでくれますかね?
医者は目の前の患者のことを考えてるので、こういう問題は、「善意ある役人」と「良識ある政治家」と「踊らされない一般国民」に任せたいというのが、医者の願いなのではないでしょうか。そこらへんを察して社会が動いてくれないと、日本の医療は成り立たなくなると思います。
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