米国で電子レンジ用ポップコーンを毎日食べ続けた男性が、重い肺の病気「閉塞性細気管支炎」(BO)にかかっていたことが専門医の調査で4日わかった。
男性はバター風味の香料「ジアセチル」を吸い込んでいるとみられ、報告を受けた米食品医薬品局(FDA)が安全性について検討に入る一方、米香料抽出物製造者協会は同日、ポップコーンへのジアセチル含有量をできるだけ減らすよう、加盟企業に通知した。
ジアセチルは日本でも広く使われている。欧米で食品や香料の工場からBOの患者が出たのを受け、厚生労働省が国内業界について情報収集を始めているが、消費者の発病が明らかになったのは初めて。
今回の事例は、肺の病気の治療で全米一とされる国立ユダヤ医学研究センターの専門医がFDAに報告した。患者は男性で、バター風味の電子レンジ用ポップコーンを毎日数袋、数年間にわたって食べ続けていたが、せきや息切れなどの症状が次第に悪化。検査の結果、BOと分かった。
食品や香料の工場ではかねて、BO患者の報告が相次いでおり、製品を加熱する過程で蒸発したジアセチルを吸い込んだことが原因とみられている。今回の男性患者の自宅で調理中の空気を調べた結果、ポップコーン工場と同水準のジアセチルが検出された。
なんでアメリカ人ってあんなにポップコーン食べるんですかね?日本人は映画館でぐらいしか食べないと思うんですけど。ポテトチップスなどの塩分は日本人にも好評ですが、ポップコーンの「油」に抵抗があるのかもしれません。
問題の閉塞性細気管支炎ですが、既に工場などでは7年ほど前から問題視されていたようです。閉塞性細気管支炎と聞くと馴染みが薄いかもしれませんが、慢性閉塞性肺疾患を指す「COPD」に含まれます。怖いところは、不可逆的な進行をするため、元に戻ることはないということです。現状としては症状を改善する薬や酸素投与しかありません。まさかポップコーンの食べすぎで起こるとは当人も思ってなかったでしょうけれど……。
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