骨髄移植で卵巣の機能を失った米国人女性(31)に対し、凍結保存した姉の卵巣組織を移植する手術を、米セントルーク病院(ミズーリ州)が日本の加藤レディスクリニック(東京都新宿区)と協力して10月にも行うことが29日分かった。
仙台市で開かれる日本受精着床学会で、同クリニックの桑山正成研究開発部長が31日報告する。同部長らはまた、白血病治療で機能が失われる恐れが強い東京都内の女性(27)の卵巣組織を将来、本人に移植する可能性を残すため、凍結保存したことも発表する。
いずれの事例も、同部長らが開発した「ガラス化法」と呼ばれる急速冷凍法で、1センチ4方、厚さ1ミリ程度の組織を保存。この大きさで、卵子や卵子の基になる卵母細胞が数1000個得られるという。
桑山部長によると、米国人女性は今年1月、同じ姉から片方の卵巣の提供を受け移植したが、生着しなかった。今回は、この卵巣から採取し、同部長の指導で凍結した組織を使い、セントルーク病院で再度移植を試みる。
生殖領域の医学の進歩は著しいですね。もしこの社会に「倫理」というものが存在しなかったら、もっと色々とできるんでしょうけれど。21世紀の生殖医療はまさしく倫理との闘いです。闘いって表現もおかしいんですけれど。
アメリカのような国ならば比較的簡単に受け入れられるんでしょうけれど、「家」や「血」を重視する日本だとどうかなぁって感じではありますね。死後の卵巣、別の人の卵巣で生んだ子供の親は、戸籍上誰になるのか、とか、そういった問題も。
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