県立広島大学の堀内俊孝教授らと米ハワイ大学の柳町隆造教授は共同で、受精卵に蛍光灯などの光を当てると出生確率が下がることを、マウスの動物実験で明らかにした。堀内教授は「ヒトの受精卵でも同様の可能性があり、不妊治療などの際は光に注意した方がよい」と話している。
ほ乳類は、通常の妊娠で受精卵に光が当たることはない。だが不妊治療や家畜の育種などのために体外受精をすると、光に当たることが避けられない。
実験ではマウスを交尾させて受精卵を取り出し、研究室で用いられる1200ルクスの蛍光灯に15分間当てた。その後暗所で培養してメスの子宮に移植したところ、42%が出生した。受精卵を光に当てず、ただちに暗所に移した場合は66%が出生に至り、蛍光灯の光が悪影響を与えることが分かった。
成る程。不妊治療ならではのリスクか。
受精卵という繊細なものを扱う以上、本当に微妙な時期だからこそ、蛍光灯のような光にも注意しなければならないのでしょうね。先天性疾患で太陽の光を浴びるのが害となる病気もありますが、それと同じように、受精卵には光に対する抵抗力がないのかもしれません。
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