厚生労働省のエイズ動向委員会(委員長・岩本愛吉東京大教授)は7日、今年4月からの3カ月間に国内で新たに報告されたエイズウイルス(HIV)感染者数は270人で、四半期ベースで過去最多だったと発表した。新規エイズ患者数は110人で過去2位。
これまでの新規感染者数の最多は昨年4−6月の248人だった。
今年4−6月の全国でのHIV検査件数は、3万7143件と前年同期に比べ大幅に増加。岩本委員長は「検査件数の伸びが感染者数を押し上げた面はあるが、検査が減少した時期も感染者は増え続けており、感染そのものが増えていると考えざるを得ない」と述べた。
感染者270人の内訳をみると、性別では男性が251人と圧倒的に多く、感染経路別では日本国籍男性の同性間性的接触が175人と最多。年齢別では20−30代が76%と大半を占めた。
昨年の、同様のニュースはこちらです。「3ヶ月で248人」から、「3ヶ月で270人」に膨れ上がっています。
このニュースのインパクトの大きいところは、「HIVは治らない」ということです。麻疹で何万人感染とか、インフルエンザがどうのというのは1年に1度(麻疹に関しては1回感染すれば免疫がついて感染しないわけですから、一生に一度)ですから、まぁその時治療すればいいんですけれど、HIVは、治せない。つまり3ヶ月で270人というペースは非常に大きいことが分かります。1年でおよそ1000人近くの人が「新たに」感染が発覚し、そして彼らはエイズ発症を遅らせるしかできないのです。
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