夏本番を迎え、アイスクリーム「専用」の醤油が、インターネット販売でひそかな注目を集めている。アイスクリームにかけるため「だけ」の醤油、という触れ込みだ。ネット上で調べてみると、「○○専用」の醤油は、これだけではなく、「卵かけご飯専用」「カレー専用」など多くのジャンルで登場、いまや醤油革命進行中といった感じなのである。
「アイスクリームにかける醤油」は、「山川醸造」(岐阜県)がネットを中心に2007年1月から販売している。同社は業務用たまり醤油製造が主力で、山川晃生社長(48)によると、アイス専用の醤油は、「遊び心」から作ってみた製品という。まだ4,000本の売れ行きだが、「100本も売れればいいと考えていた」というから40倍の反響があった訳だ。
どんな醤油なのか、とJ-CASTニュースが山川社長に尋ねると、「かなり甘いですよ」と答えた。見た目は普通の醤油だが、水飴を使ってシロップのようなとろみがある。「醤油の需要が減る中、若い人たちのスイーツ(甘味)ブームに目をつけた」のが開発のきっかけ。洋風のお菓子に醤油の味を加えることができないか、と検討を加え、かける候補にバニラアイスクリームが浮かんだ。醤油の香り成分には、「バニラと同種の成分も含まれ、アイスクリームに合わないはずはないと思った」そうだ。
試行錯誤を繰り返し、約1年間かけて開発したという味は、「アイスに少しかければキャラメル、たっぷりかければみたらしだんご」。意外にもバニラ以外のアイスにも合い、購入者からは「焼酎に入れて使っている」「カキ氷にも合う」「ヨーグルトにかけてます」と「専用」以外の使い方の報告も寄せられている。「刺身にも合いますか」と質問すると、「いや、合いません」。山川社長は、アイス専用醤油の利用者の人たちに「いずれ本物の醤油の味に帰ってきてくれたら」との期待を抱いている。そのためにも、「何かおもしろい専用醤油のネタはないか、といつも考えています」。アイス専用醤油の価格は、1本70ミリリットル350円。
専用醤油の登場が目立ち始めたのはいつごろからなのか。日本醤油協会(東京・中央区)の八尋猛さん(36)によると、「2、3年前からでしょうか」。専用醤油については「多くは、醤油を利用した醤油加工品や専用調味料の分類になるようです」と普通の醤油との違いを説明した。
八尋さんによると、醤油の日本人1人あたりの年間消費量は、ここ数年は2.5リットル前後で横ばいだ。1998年に3リットル台を割り込んで以降、微減と横ばいを繰り返している。専用醤油の今後については、「どこまで定着するか分からないが、特に若い世代に醤油消費量を増やしてもらうために各メーカーが知恵を絞っている結果だ。種類も増えていく傾向になるのではないか」と予想した。全国には、大手5社を含め、1,500社の醤油メーカーがあるという。
普通の専用醤油とは異なり、どちらかというとタレのような感じで使うのですかね。スイカに塩のような効果を狙っているようです。でも普通にアイスを食べたほうが美味しいような気も…。
醤油は日本人にとって切っても切り離せない関係です。おそらくどんなに欧米文化が進んでも、醤油のもつあの香り、味を求める日本人は多いと思うので、心配はないと思うのですが。