福岡大病院(福岡市)は3日、閉塞性肺疾患で呼吸不全に陥った女性(30)に夫(32)の右肺の一部を移植する生体肺移植を実施したと発表した。
2人とも容体は安定している。同大によると、生体肺移植は国内で50例以上報告されているが、成人間で1人の臓器提供者からひとつの肺を移植したのは世界初という。
同大によると、女性は約2週間前に入院したが、呼吸不全で酸素吸入が欠かせない状態となった。肺移植を行わなければ、長く生きられないため、夫の右肺の約2分の1を摘出し、2日に妻に移植した。
どのくらいの量の呼吸量があれば呼吸不全にならずにすむか、という数値をあらかじめ算出しておきます。普通の生体肺移植ですと、1人の人間から少しもらって、別の人間から少しもらって、呼吸不全にならないようまかないますが、今回は1人からとった肺だけで行ったということです。ここが世界初の偉業。
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