いよいよ夏本番。暑さが厳しい日は、熱中症に注意が必要だ。スポーツなど体を激しく動かすときに限らず、日常生活の中でも発症する。こまめに水分を補給するなど予防を心がけたい。
熱中症は、大量の汗をかいて塩分が不足し、けいれんが起きたり、脳への血流不足から失神したりする状態。体温が激しく上昇する熱射病になることもある。
めまいや頭痛、吐き気を感じるときは、涼しい場所に移動し、水分を補給したり、首やわきの下を冷やすこと。応答が鈍い、意識がないなどの場合はすぐに救急車を呼ぶ。
京都女子大教授の中井誠一さん(運動生理学)が過去の熱中症による死亡事例を調べたところ、1995年以降では、65歳以上の高齢者が約6割を占めることが分かった。庭の手入れなど軽作業中や、冷房のない室内で亡くなった例もあった。
「特にお年寄りは、体温の調節機能が低下しています。体内の水分が少ないのに、補給を控える人が多いことも影響しているのでは。普通の暮らしのなかでも、布団の上げ下ろしや床磨き、草取りなどは意外に重労働。暑い時間帯を避けるなど注意が必要です」と呼びかける。
環境省の「熱中症保健指導マニュアル」では、日常生活での注意事項として、〈1〉日傘をさしたり、帽子をかぶったりして暑さを避ける〈2〉通気性の良い服装を選ぶ〈3〉のどが渇く前に、こまめに水分を補給する――などを挙げている。
ウオーキングなどの運動を始める前や外出の前には、コップ1杯ほどの水を飲み、合間にも、15〜20分ごとに100ミリ・リットルほどは補給するよう心がけたい。
Tシャツや短パンなど、薄着で風通しの良い服装は、体温が上がりすぎないようにする効果がある。帽子はつばの広いものを選ぶといい。
また、熱中症を警戒するための情報も活用したい。環境省は熱中症予防情報サイトで、毎日の「暑さ指数」を紹介している。
自分だけは大丈夫だろうと思っている大の大人にありがちなのが熱中症です。特に高齢者は、もう自分の身体の調節機能が衰えているということを自覚せず、今までと同じように行動してしまうことが多いようです。
特に外に出る場合は、水分の補給をこまめに行いましょう。喉が渇いたから飲む、のではなく、時間ごと、もしくは運動した量ごとに飲む癖をつけましょう。
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