不足すると糖尿病につながるホルモン「インスリン」が、脳内では老化の促進という“悪役”を演じていることが、米ハーバード大の実験でわかった。
脳内でインスリンを働きにくくしたマウスは、通常のマウスより18%も長生きした。研究成果は米科学誌サイエンスに発表した。
インスリンは全身の細胞に作用して、栄養の利用などを制御する。田口明子研究員らは、細胞がインスリンを受け取る際に働くたんぱく質を、脳内で半減させたマウスを遺伝子操作で作製。マウスは太り気味だが糖尿病にはならず、936日間生存した。通常のマウスは791日だった。
研究チームのM・ホワイト博士は「粗食や運動が長寿に良いのは、血中のインスリン量を下げる効果があるからだろう」と説明している。
ありすぎても困る、ということですかね。まぁ元々質素な食生活だった時代には血糖値を下げる効果を持つインスリンはあまり関与していなかったといいますし。「贅沢する→インスリン過剰分泌→脳内で老化を促進」という流れが一番イメージしやすいですね。
関連
医学処:血糖値を下げる働きを強める新しいタイプの糖尿病治療薬
医学処:1型糖尿病の治療としてES細胞を膵臓細胞にして移植する技術
医学処:食欲促進ホルモン「グレリン」はインスリン分泌を抑制する