新潟県中越沖地震で被災した住民に静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)の発症の恐れがないかどうか調べようと、県や県医師会などが28日、被害の大きかった柏崎市と刈羽村の4避難所で集団検診を始めた。
エコノミークラス症候群は、長時間同じ姿勢を続けたり窮屈な場所で手足を縮め続けることで、静脈内に血栓ができ血管を詰まらせる疾患。死亡する場合もあり、早期発見が不可欠だ。
この日は、医師や看護士ら36人が1班9人体制で、車中泊や避難所生活を送るお年寄りらを検診。血栓が見つかった被災者には、医療機関での受診を勧める。
約140人が避難する柏崎小学校で検診を受けた同市松美、無職、中村キヨさん(71)は、地震発生から11日間、自宅車庫に止めたワゴン車内で夫(77)と2人で寝泊りしてきた。検診で異常はみられず「心配していた娘に安心して報告できる」とほっとした表情を見せた。検診は29日も行われる。
04年10月の中越地震では、同症候群が原因とみられる疾病で少なくとも3人が死亡。今回の地震でも、新潟大医学部などが24日までに被災者437人を調べたところ、31人から血栓が見つかっている。
437人中31人って結構な割合ですね。狭い空間に滞在せざるを得ない場合、更に水分不足やストレスも重なるんでしょうが、震災後に静脈内血栓の起こる頻度は高そうです。未然に防ぐためにも、まず知識を。
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