質の高いがん治療を実現するため、静岡県立静岡がんセンター(山口建総長)は2008年度から、作業療法士や心理療法士など医師以外の11職種について、がん専門家の養成を始める。がん治療に詳しい薬剤師の養成は国立がんセンターが06年度から始めたが、11職種に及ぶ専門家の養成は全国で初めて。
高度多様化するがん治療では、患者のリハビリを指導したり、精神面の支援をしたりする専門家が加わったチーム医療が不可欠とされており、静岡がんセンターの取り組みは注目を集めそうだ。
同センターが始めるのは「がん専門多職種レジデント(研修)制度」。作業療法士や心理療法士のほかに、薬剤師や診療放射線技師、理学療法士、言語聴覚士など11職種について、8月中旬から公募し、約20人を採用する。採用後は原則2年間、同センターでがんのチーム医療の技術や知識を磨くとともに、それぞれの専門性を深める。
特徴的なのは、がん患者や家族の精神的な支援を行う専門家の養成に力を入れている点で、カウンセリングなどで患者の悩みをやわらげる心理療法士や退院後の生活の相談にのる医療社会福祉士などのがん専門家を育てる。さらに、国内にまだ20人弱しかいない「チャイルド・ライフ・スペシャリスト」も養成したい考えだ。
まさにがんのスペシャリストが集うことになりそうです。実際医者だけでできることって限られていますし、作業療法士などによるサポートは不可欠となるでしょう。
チャイルド・ライフ・スペシャリスト:慣れない入院生活を送る子供に、絵本などを使って、病気や治療について分かりやすく説明したり、親の相談に乗ったりするなど、親子の心や子供の成長を支援する医療専門職。1950年代から、米国で普及が始まり、小児医療に不可欠な存在とされている。米国やカナダでは公的資格として認められているが、日本ではまだ認められていない。
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