胃がんや肝臓がんの手術などを行う消化器外科医のほとんどが、当直勤務をした翌日も、手術や外来など通常の診療を日常的にこなしている実態が、日本消化器外科学会(理事長・北野正剛大分大教授、会員数約2万1000人)の調査で明らかになった。
過酷な勤務の影響で、医療ミスを起こす不安を抱く医師は半数を超え、同学会は「消化器外科医の不足は深刻で、労働環境の改善が急務」と訴えている。
「当直勤務がある」と答えた医師は、管理職などを除く62%で、その94%が当直の翌日も「通常勤務」をしていた。翌日の半日勤務は4%、非番は1%だった。当直回数は1か月3〜4回が全体の22%で最も多かったが、「月7回以上」も10%にのぼった。
1週間の勤務時間が「60時間以上」と答えた医師は69%にのぼり、「80時間以上」も29%いた。過酷な勤務の影響について尋ねたところ、自分の健康の不安が69%、医療ミスの不安が54%にのぼった。
消化器外科医は当直の夜間や休日に、急病患者に緊急手術を行うことも多い。
当直翌日に通常勤務するのはどの科もそうだとは思いますが、過酷な当直を終えての手術では、起こしたくない医療ミスも起こってしまうというものです。
過労な現状を無視しているのは社会であり国であり国民ですので、正直このような境遇で医療ミスが起こったとしても医者の責任とはいえないと思います。ここまで消化器外科医を追い込んだのは他ならぬ日本の医療体制なのですから。
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