チョコレートとレモンやせっけんのにおいをかぎ分けることが難しい高齢者は、アルツハイマー病にかかるリスクが高まっている可能性がある。
医学誌アーカイブズ・オブ・ゼネラル・サイカイアトリーの7月号に掲載された論文によると、においを嗅ぎ分けるテストで標準以下のスコアを取った人は、軽い認知障害を患う確率が高い。論文の筆者のラッシュ・ユニバーシティ・センター(シカゴ)の研究員ロバート・ウィルソン氏によると、思考や学習、記憶能力に問題が出る。
認知障害はアルツハイマーの前症状であるとの認識が高まっている。脳の中でにおいを処理する部分が、明確な症状が表れる前から何らかの兆候を示していると考えられる。嗅覚はパーキンソン病など他の神経疾患でも何らかの役割を演じているとみられている。
ウィルソン氏は論文で「認知障害がまだ表れていない高齢者におけるにおいの識別困難は、その後の軽い認知障害の先触れとなる」として、「嗅覚障害はアルツハイマー病の初期症状であり、嗅覚テストは同疾患の早期診断に役立つ可能性がある」と書いている。
脳の12対ある神経の最初が、嗅神経です。Tの「嗅神経」、Uの「視神経」だけが、脳幹から出ていない神経です(V〜]Uはそれぞれ中脳、橋、延髄から出ています)
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