2007年07月15日

献血に行こう!Part2 献血に関する知識を身につけよう。

 全体の流れをPart1でご紹介しましたので、続いては献血についての知識をまとめたいと思います。まだPart1をご覧になっていない方はこちらをどうぞ。

献血に行こう!Part1 献血を不安に思っている人へ送る体験レポート
献血に行こう!Part3 献血後のお楽しみ、おみやげの詳細
献血に行こう!Part4 献血後に届く血液検査結果についての詳細

第一章 献血の種類

まず、献血には4種類あります。「400ml献血」「200ml献血」「血小板成分献血」「血漿成分献血」です。最初の2つ、これはただ血液を抜くだけですので、10分程度で終わります。後者の2つは成分献血といって、血漿と血小板を分離して採取し、赤血球と白血球を体内へ戻す献血方法です。こちらは40〜90分程度かかるといわれています。しかし血小板輸血などに絶大な効果を発揮します。

 例えば、200ml献血で得られる血小板を1人分とすると血小板輸血を行うには10人分必要であるのに対し、成分献血で得られた血小板は、成分献血1回分だけで血小板輸血10〜20回分にもなります。赤血球の少ない女性などでも行えるため、お勧めの献血方法です。(赤血球の回復が一番遅いといわれている)


第二章 献血当日の過ごし方

 献血前に貰ったシートに細かく書いてあります。至れり尽くせりな内容です。



献血後は水分の補給と休憩をおとりください。
電車でお帰りの際、転落防止のため駅のホームでは線路の近くで電車を待たないで下さい。
(気分不良、失神などはじっと立っている時に発生するといわれてます)

★ 献血当日は次のようなことをお願いいたします

水分補給…ジュース(スポーツドリンク)、お茶などで十分補給して下さい。
休憩…乗り物を運転される場合は、その前に十分な休憩(30分以上)をおとりください。
重労働…採血側の腕に強い力がかからないようお願いします
エレベーター・階段…使用する際は、特に注意して下さい
入浴…2時間以内の入浴と当日のサウナは避けてください
飲酒・喫煙…献血直後は避けてください
スポーツ…水泳、マラソンなど激しいスポーツは避けてください

★ 気分が悪くなったら…?

 緊張感の強い場合やその日の体調によっては、採血に伴い気分が悪くなったりめまいがすることがあります。そのような場合はすぐに座るか、横になってください。通常は頭を低くして30分程度安静にするだけで軽快します。また、採血後の腕の痛みなど何かご心配なときは、すぐに血液センターまでご連絡下さい。


第三章 献血後のお知らせ

 献血を申し込むときに、「血液検査の結果を通知するかどうか」を決められます。血球成分などが載っており、スポーツマンの人が自分の身体の状態を知るために見たりするみたいです。更に希望者には、B型肝炎、C型肝炎ウイルス、梅毒、HTLV-1の4つについて通知してくれます。ただしこれは、異常を認めた場合のみに送られてくるものだそうです。

 まとめると…

a.通知してくれる検査項目…血液型検査、生化学検査、血球計数検査(ただしこれは400ml献血の人と成分献血者が対象)
b.異常を認めた場合のみに通知する検査項目…B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HTLV-1




ここで、大多数の人が勘違いしていることについて説明します。

 献血では、HIVが陽性であっても通知しません!!

勿論、献血した血液に対してHIV検査は行いますし、輸血する血液の中にHIVが混入しないようになってはいますが、「献血に行くとHIVが陽性かどうか分かる」というのは嘘ですので、ご注意下さい。HIVかどうかを知りたいのでしたら、保健所のHIV検査をご利用下さい。そもそもHIVかもしれない…という疑いのある人、HIV検査が目的の人は、献血を遠慮してもらうようになっています。輸血される側、採血する医療従事者側にとっても迷惑極まりない行為ですので、絶対にやめましょう。

 ちなみに、誤解の多いHTLV-1ですが、これはヒトの白血球に感染するウイルスで、母乳による感染、性交渉、輸血による感染が指摘されています。日本では120万人が保有しており、特に九州地方に多いのが特徴的です。成人T細胞性白血病(ATL)やHTLV-1関連脊髄障害(HAM)などを引き起こしますが、感染してもほとんどが発症しないといわれています。まぁ、要するにHIVとは似ても似つかぬウイルスだということです。

通知はしなくてもHIV検査するんだったら誰でも献血してよくね?と思う方もいるかもしれませんが、HIVは、感染初期には検査を潜り抜けることができるのです。ですので、保健所のHIV検査でも、感染の疑いのある行為から2,3ヶ月後に検査に来るように言っています。


第四章 献血後の注意点

 献血後、「献血にご協力いただきありがとうございました。」と冒頭から始まる「輸血を受けられる患者さんのために!」という紙が渡されます。内容は献血前の注意点とほとんど一緒ですが、違う点は、上記に書いたような「HIVの検査すり抜け」に細心の注意を向けているところです。



★この1年間に次のいずれかに該当することがあった方の献血はお断りしています。

1.不特定の異性と性的接触をもった。
2.男性の方で他の男性と性的接触をもった。
3.エイズ検査(HIV検査)で陽性と言われた。
4.麻薬・覚せい剤を注射した。
5.上記に該当する者と性的接触をした。

 献血された血液は翌日には患者さんに止痒されますので、問診や献血をなさった後で、
上記1から5のいずれかに該当していた場合は、必ず本日中にあなたの声でご連絡をお願いします。



 ちゃんと配慮されているのはHIV検査と同様で、電話をかけるときには「採血番号」と生年月日を言うだけで良いので、匿名です。恥ずかしくて献血前には言いそびれてしまった人でも連絡できるようになっています。黙っていると誰かがHIVに感染してしまうかもしれませんから、そこは人として良識ある行動を取ってほしいと思います。



献血に行こう!Part1 献血を不安に思っている人へ送る体験レポート
献血に行こう!Part3 献血後のお楽しみ、おみやげの詳細
献血に行こう!Part4 献血後に届く血液検査結果についての詳細
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posted by さじ at 04:49 | Comment(1) | TrackBack(0) | 救急
この記事へのコメント
リーダーの才能及び決断を見守りたい災害復興に及び更なる理解力そして、そう!どこかでは命がけだ
Posted by みか at 2011年03月18日 08:40
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