道内のパチンコ店で二○○六年度、来店した保護者が子供を車内に置き去りにし、駐車場を巡回中の警備員らが発見した例が六件、九人あったことが、全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連、東京)の調査で分かった。全国的に多発している車内での熱中症は外気温に関係なく、日差しの強さで起こり、専門家は「過信は絶対に禁物」と警告している。
六件の内訳は帯広で五件、釧路で一件で、いずれも乳幼児や小学生が車内に放置されていた。五月が三件と多く、七月、十二月、三月が各一件だった。
このうち帯広での昨年七月一日の例では、エンジンをかけたままの車内に三人の小学生が残されていた。当日は快晴で、外気温は二一度と高くなかったが、日本自動車連盟(JAF)の交通環境部は「日差しが強ければ、停車中はエアコン使用中でも車内は五○度以上に達する恐れがある」と、その危険性を指摘する。
車内温度はダッシュボードに当たった日光が熱源となって上昇する。JAFが今年四月下旬、最高気温二三度の快晴下で行った車内温度テストでは、ダッシュボード付近でピーク時に七○度、車内でも四八度に達した。
パチンコ店の駐車場に放置され、命を落とした子供は、一九九八年からの統計で全国で計二十七人。道内でも九八年八月、美唄市で両親が遊技中、一歳の男児が熱中症で死亡する事故が起きている。
道内には託児所を設けるパチンコ店もあるが、大半は定期巡回が頼みの綱だ。札幌市清田区のパチンコ店の警備員は「スモークガラスを張った車は、中が見えづらく苦労する。子連れで訪れ、交代で車内に残って遊技する夫婦もいた」と話し、同店の店長も「何より必要なのは、お客さまの自覚」と訴えている。
熱中症は、身体の中に熱がこもって、体温の調節中枢が狂ったりします。とても恐ろしい病気です。暑さを甘くみないほうがいいです。1歳児を連れてパチンコへ行くというのも信じられませんし、車内に放置するというのも異常です。クーラーを入れれば大丈夫だろうという無知ゆえに自分の子供が犠牲になるのは悲しい話です。
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