日本大学の奥忠武教授らは9日、植物の光合成の能力を遺伝子組み換えで高め、通常よりも大きく成長させる実験に成功したと発表した。バイオエタノールなどの原料植物の増産や、森林の二酸化炭素(CO2)吸収量を増やすことに応用できる可能性があるとみている。
研究グループは光合成にかかわるたんぱく質の一種「シトクロムC6」の遺伝子をシロイヌナズナという植物に組み込んだ。60日間栽培したところ、遺伝子を組み込まない従来種と比べ、背丈がおおむね1.3―1.5倍高くなり、葉の面積や全体の重量なども1.2―1.3倍に成長した。
この遺伝子はもともと水中に繁殖する藻類が持っているが、陸上の植物は持っていない。進化の過程で失われたとみられている。シロイヌナズナ以外の陸上植物に組み込んでも同様の効果が期待できるとみて研究を進めていくという。
水中の藻類の葉緑素を陸上でも組み込めるなんて。これ結構凄いかもしれませんね。やれ温暖化がどうのと叫ばれているので、CO2を減らすためには有効なのでは。栄養があれば植物もかなり成長が進むでしょうし、伐採された荒地に植える用の植物として有効かもしれません。もちろんハイブリット種ですから、現地の植物と混じらないようにしなければいけませんが。
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