滋賀医科大付属病院(大津市)で、ベトナムの国立病院から派遣された看護師2人が研修を受けている。ベトナムでは未成熟な院内感染への対応や医療事故に対する安全対策の知識習得のため勉強に励んでいる。
グエン・ティ・ヒエンさん(34)と、グエン・ティ・オワンさん(35)。2人は国立チョーライ病院(ホーチミン市)の看護師で、同大と同病院が昨年12月に結んだ交流協定に基づき、6月1日に来日した。ベトナムではまだ不十分な看護管理システムと、新分野の医療安全管理法を国立チョーライ病院に導入するため、知識と技術の習得を目指している。
研修期間は約6週間。2人は午前8時半から午後4時まで、講義や病棟での実習を行っている。安全管理と感染管理についてはそれぞれ1週間をかけて、みっちりと学び、また新人研修システムや能力評価、人事管理、各医療現場での看護管理なども勉強してきた。
研修する2人の様子を同病院の小野幸子副看護部長は「意欲があり、非常に熱心」と評価する。14日の帰国を前に、ヒエンさんは「勉強するほどに学びたいことが増えた。ここで得たことをベトナムの事情に合わせ、生かしていきたい」と話している。
医療現場は、医学の知識だけではどうにもなりません。病院として運営していく上で大切な、感染予防の概念や患者の肉体的・精神的なケアなどを考えなければなりません。それはどちらかというと、ノウハウに近いものなのでしょうけれど、日本はかなり確立されている気がします。院内感染などは、患者が易感染性の状態にあるのでどうしても起こってしまいますけど、それでも感染拡大を防ぐ術など迅速な対応が出来ていると思います。あと医療事故がおきないような工夫を施すことにかけても、秀でているのではないでしょうか。日本で構築したものを、世界中に広げることで、全体の医療レベルが向上するでしょうね。
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