閉経後に米国で卵子提供を受けた50歳前後の妊婦の約8割が、切迫早産などの重い合併症で入院が必要になったことが、東京日立病院(東京・文京区)の合阪幸三・産婦人科医長の調査でわかった。
国内では、匿名の第三者からの卵子提供を認めようという声も強く、今後、提供卵子による高齢妊娠が増えそうで、合阪医長は「特に、超高齢出産の場合は、スタッフのそろった周産期医療センターなどでのケアが必要」と強調している。10日、都内で開かれた日本周産期・新生児医学会で報告した。
調査対象は、合阪医長が過去5年間に担当した31人。平均年齢は50歳で、最高齢は56歳、最年少は46歳だった。米国で卵子提供を受けて、妊娠後、国内で出産を希望して来院した。多胎妊娠は4人で、すべて双子だった。
多胎妊娠に比べリスクの低い27人の合併症の発生は、妊娠高血圧が9人(33・3%)と最も多く、卵子提供のない通常の出産よりも約6倍頻度が高かった。妊娠糖尿病も8人(29・6%)で約2・5倍、切迫早産も12人(44・4%)で約3倍だった。これらの合併症の治療のため、27人のうち22人が入院した。双子を妊娠した4人は全員、切迫早産のために入院した。また、母乳の分泌は、1か月検診時では、31人中17人が良好だったが、3か月検診時には3人に激減した。
匿名の第三者からの卵子提供を巡っては、厚生労働省の生殖補助医療部会が容認した。しかし、法制化には至らず、日本学術会議で是非を検討している。
まさに命がけでの出産です。しかし本来生物として機能を失っているものを、医学の力を借りて無理やり行うのですから、合併症が発生して当然といえば当然です。まぁその合併症を減らしていくのもまた、医学なのですが…。
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