コンサートやクラブへ行くことを定期的に楽しんでいる英国の若者の10人中9人に聴覚障害の傾向があるとの調査結果が発表された。ロック・コンサートのサウンドは、近くでドリルを使用されるより大きな音量らしい。
しかし彼らの多くは、耳鳴りや聴覚が鈍ったことを実感しつつも何の対策も考えていないそうだ。ロイター通信によると、1,381名の若者を調査したRNID(Royal National Institute for the Deaf/聴覚障害の人々を支援するチャリティ団体)の代表者は、政府は音のレベルに対しガイダンスを定めるべきだと訴えている。「我々は、性行為や日焼けに対する警告には慣れ親しんでいる。しかし、音量に対するガイダンスがなく、若い音楽ファンは聴覚に支障をきたすかもしれないという問題に直面している」
調査の結果によると、半分以上の人々がバーではバック・ミュージックに負けないよう大声で話をしなくてはならないと感じているが、うるさすぎると思っているのはその25パーセントに過ぎないという。RNIDは、クラブでは特別な耳栓を着用したり、スピーカーのそばに立つのを避け、1時間ごとに5分のブレイクを取るよう忠告している。
若者の難聴傾向に対しては、ザ・フーのピート・タウンゼントも警告を発したことがある。彼の見解はRNIDは違い、ポータブル・プレイヤーからイヤホンで音楽を聴き続けるのが危険だと話している。「難聴は恐ろしいよ。治る見込みがないからね。僕の聴力が衰えたのは、ステージで大きなサウンドを出していたからじゃない。レコーディング・スタジオでヘッドホンを使っていたからだ。ライヴ・サウンドは耳を傷めない。イヤホンが悪いんだよ」
このテの難聴の怖いところは、治療法がないということです。つまり「聞こえづらくなった」と思ったときから、ずっと音の聞こえは悪いままです。爆音の環境にいつづけると、一時的に聞こえが悪くなりはしますが、これはそういうものではなく、頻繁に爆音に晒された結果、難聴となって特定の周波数の音が拾えなくなります。
人の身体はそのような爆音の環境に耐えることができないんだとあきらめて、耳を大事にしてやって下さい。
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