原因不明の激しい疲労が半年以上も続き、通常の日常生活が送れなくなる「慢性疲労症候群(CFS)」の新しい診断指針を、日本疲労学会の委員会(委員長=倉恒弘彦・関西福祉科学大教授)がまとめた。30日、東京で始まった学会総会で発表した。
新指針では、リウマチや慢性感染症など8種類の病態でないことを確認した上で、「体を動かした後、24時間以上疲労が続く」「思考や集中力の低下」など特徴的な症状を10項目に絞り、うち5項目以上を満たすことを診断基準にした。5項目未満の患者は新たに設けた「特発性慢性疲労(ICF)」と診断する。
92年に旧厚生省研究班が作った現在の診断基準は本人の自覚症状が中心で、臨床現場で混乱が起きることがあった。最新の研究成果とも合わなくなっていた。CFS患者は10万人当たり約300人、潜在患者はその10倍との推計がある。診断がつかないまま病院を渡り歩いたり、職場で「なまけ病」とそしられたりする患者も多く、同学会は新指針でこうした問題が減るとみている。
ここでいう慢性疲労症候群とは、全身倦怠感を来たす感染症や自己免疫疾患などを除いて、かつ「病的な疲労感」として挙げられる症状を複数個呈すものをいいます。
原因不明であっても、日常生活を営むことさえ困難なほど疲労感を感じる病気は、勿論存在するわけです。単に解明されていないだけで。それをやはり偏見やら何やらで、精神論で片付けてしまうのが、日本人の悪いところですね。なまけ、とか、根性、とか。今まで誤解されていた人が病気について理解されるためにも、知識をつけておかなければなりません。
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