現在、臨床試験の第III相試験(標準薬との比較)の段階に入っている新しい薬剤MK-0974について、第II相試験(投与最適量の検討)で片頭痛治療への有望性が示されたことが、シカゴで開催された米国頭痛学会(AHS)年次集会で発表された。
米国では推定2,800万人が片頭痛に悩んでおり、一般的な鎮痛薬やバイオフィードバック療法のほか、トリプタンという脳内の炎症を抑える薬剤が使用されているが、どの治療も効かない患者もいる。また、トリプタン系薬剤には血管を収縮させる作用があるため、心疾患のある患者は使用することができない。
MK-0974はトリプタン系薬剤とは異なり、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬として知られる新しいクラスの薬剤で、痛みの信号を伝える脳の化学物質を遮断する作用をもつ。
トリプタン系薬剤にみられるような血管収縮作用はみられず、そのほかの副作用も少ないようだという。「胸部圧迫感や胸部痛、のどの締め付け感、全身のぴりぴり感といった、トリプタン系薬剤に典型的な副作用がみられなかった」とRapoport氏は述べている。
専門家らは、この新薬に大きな期待を寄せているものの、最終的な結論はまだ出ていないとして、現段階で過剰な期待は禁物であるとの慎重な姿勢をみせている。
日本でも頭痛に悩む人は多く、しかも原因が分からずどうしていいのか分からない人も多いと思います。
とりあえず市販の薬で対処できるという方もおられるでしょうが、それでも効かないという人は病院で一度診察を受けたほうがいいかもしれません。「原因不明」でも薬によって抑えることはできますから。
また、最近広がりつつあるのが「頭痛外来」です。頭痛を専門とした外来ですので、一般の内科よりは頭痛の原因を突き止めることができると思います。下記の専門医のリンクから参照して下さい。
参考:日本頭痛学会専門医
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