2005年に虐待で死亡した子ども56人について、厚生労働省が個々のケースを調査した結果、4割を超える24人が、保育所や学校など外部機関とのかかわりがありながら見逃されたケースだったことがわかった。
児童相談所が虐待の疑いを把握しながら、死亡に至った子どもも約2割に当たる11人いた。これとは別に、心中で死亡した子どもの数が30人に上っていたこともわかった。
05年1年間に厚労省が把握した児童虐待の死亡事例51件56人について、研究者らでつくる専門委員会が検証した。その結果、死亡した子どもが保育所や学校に通っていたり、市町村の保健センターで乳幼児健診を受けたりするなど、外部機関がかかわる機会があったケースは23件(24人)で約45%を占めていた。前年の13件、約27%に比べ増えており、何らかの兆候があっても周囲が見落としたり、深刻に受け止めなかったりしがちな実態を浮き彫りにした。
児童相談所に虐待の疑いがあるとの通告があり、危険が把握されていたケースは10件(約20%)で11人。前年の15件(約31%)よりは減少した。しかし、10件のうち4件(4人)は、「虐待ではない」と判断を誤り、死亡に至っていた。一部職員は虐待を認識していたが、組織としての把握が不十分だったものも2件(2人)あった。
20歳代後半の母親による虐待死のケースでは、小学生の子どもが虐待で児童養護施設に保護されているにもかかわらず、生後2か月だった下の子どもの虐待死を食い止められなかった。分析にあたった明治学院大の松原康雄教授は「関係機関の対応が不適切で、児童相談所との連携も不十分だった。関係職員や地域の人たちが兆候を見逃さない意識を持つ必要がある」と話している。
昔と違って社会が子どもを育てるということができなくなりました。教師、医師が異常を発見しない限り、虐待があるかどうかもわかりません。その指摘機関も、まぁ全部見つけるのは難しいでしょうね。医師はまだしも教師なんて。万能ではないのですから。
親が何故虐待するのかはさまざまな理由があるでしょうが、自分の子どもを愛せない、子どもの存在が邪魔というのが最たる理由ではないでしょうか。
だから、こうのとりのゆりかごが必要となってくるわけです。虐待死するよりは、親がいなくても保護されて育ったほうが良いと思います。1つの命を救うことに全力を注ぐことも、我々社会人の為すべきところです。
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