2007年06月18日

変形性股関節症の治療に使える、ひざ軟骨の人工培養に成功。

ひざ軟骨の人工培養技術、東大など開発 再生医療に期待

 従来は難しかったひざ軟骨の人工培養技術を、東京大学などが開発した。体内と同じ高圧環境下で培養するもので、国内で3000万人とも言われる変形性ひざ関節症の患者などへの再生医療に道を開くと期待される。米専門誌「ティッシュ・エンジニアリング」に発表された。

 東大では軟骨がすり減るため、ひざが痛み、歩行や階段昇降が困難になる変形性ひざ関節症の患者を3000万人と推計している。

 一部の患者には、ひざから採取した健康な軟骨細胞を培養した後、患部に注入する治療が試みられているが、培養中に病的なたんぱく質を持つ異常細胞ができる問題があった。

 東京大学大学院工学系研究科の牛田多加志教授は、関節内で体液の入った袋に包まれた軟骨には、歩行時に約50気圧の圧力がかかることに着目。プラスチック製の培養袋にウシの軟骨細胞を入れ、体内と同じ水圧をかけて4日間培養したところ、球状の正常軟骨(直径1ミリ)ができた。

 ヒトの細胞で球状軟骨を多数作り、体内の軟骨と同じ形の型に詰めて成形すれば、移植可能な人工軟骨が作れるようになるという。

 共同研究者の東大病院整形外科・脊椎外科の中村耕三教授は「減量や運動が治療の基本だが、傷んだ軟骨を再生医療で治せるようになれば治療手段が増す」としている。



 普通、変形性股関節症はいきなり手術をするわけではなく、運動療法などを行います。詳しくはこちら

 しかしどうしても治らない場合、やはり手術は必要になるわけで、今回のこの人工軟骨移植によって画期的に回復する可能性が出てきたわけです。

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posted by さじ at 00:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植
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