血液中や肝臓で増えると厄介者扱いされるコレステロールが、脳の機能増進には欠かせないことを、産業技術総合研究所関西センターの小島正己・主任研究員や科学技術振興機構の鈴木辰吾研究員らのグループがネズミ(ラット)を使った実験で明らかにした。小島さんは「アルツハイマー病の脳内では、コレステロールの合成異常がみられるという研究もあり、治療薬の開発に役立てたい」と話す。13日付の米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス電子版に掲載された。
神経細胞とコレステロールの関係を探るため、ネズミの大脳皮質の神経細胞を培養し、BDNFという脳の機能増進を促すたんぱく質を加えた。すると神経細胞のコレステロールの量が増えることが分かった。また、コレステロールが増えた神経細胞を調べると、情報伝達物質を受け渡ししやすい状態になっていた。一方、コレステロールの合成を妨げる薬剤を入れると脳の情報伝達機能が抑制された。
ただし、体と脳のコレステロールは別々につくられており、血液中のコレステロール量が多ければ、脳の働きがいいというわけではないという。
脳と身体を切り離して考えないといけませんね。糖分取りすぎは良くないからといっても、脳は糖分を栄養としているわけですから摂らなければいけないようなもんでしょう。
卵を控えればコレステロールが下がるという話でもないみたいですしね、適度にバランスのとれた食事を取るのが一番です。
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