感染拡大が世界で懸念されている「広範囲薬剤耐性」(XDR)の結核菌がさらに強力になり、すべての抗菌剤が効かなくなったタイプがイタリアなどで検出されたことがわかった。
世界保健機関(WHO)ストップ結核部のマリオ・ラビリオーネ部長によると「XXDR」(極度薬剤耐性)の結核菌という新名称も提案されているという。
イタリアの患者は女性2人。菌は最初から多数の抗菌剤に耐性を持っていたが、結核専門でない医療機関で様々な抗菌剤を投与され、次第にすべての抗菌剤に対する耐性がついたらしい。2人とも2003年に死亡したことが、欧州の専門誌で先月、報告された。
結核は治療薬が出来て初めて、死の病ではなくなりました。ところがここへきて、全ての薬が効かない結核菌が誕生してしまいました。この結核菌が猛威を振るえば容易く抗生物質が無かった頃の時代へ戻ってしまうでしょう。結核に対する認識を改めることが必要です。
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