主婦連合会(東京)は5月29日、政府に対し、こんにゃく入りゼリーの販売停止などを要望した。同会事務局長の佐野真理子さんは「欧州連合(EU)では、ゼリー菓子にこんにゃくを使用することを禁じているが、日本には規制はなく、いわば野放しの状態」と指摘する。
今回の事故を受け、農水省は、業界団体に、事故防止に努めるよう求めた文書を送ったが、「販売停止などにする予定はない」という。厚労省の担当者も「有害物質が入っているのではなく、食べ方の問題で事故が起きている。法に違反していなければ規制はできない」と話す。
ただ、メーカー側にも戸惑いが広がっている。死亡事故が相次いだ95年以降、メーカーによっては、注意表示を目立つようにしたり、大きさや硬さを変えるなどの対策をとってきたが、その後も事故が続いているからだ。業界団体幹部は「事故情報が詳しく公表されないので、どう対応をすればいいのか分からないことが多い」と打ち明ける。
こんにゃく入りゼリーなどをのどに詰まらせた場合、どうすればいいのか。東京救急協会(東京)指導課長の茂呂浩光さんは「大声で救急車を呼んでもらいながら、応急措置を行う。誰もいない場合は、まず応急措置をし、取れない場合はすぐに119番をしてほしい」と話す。
1歳未満の乳児の場合は、うつぶせにし、指で下あごを持ち上げる。上半身が低くなる姿勢にし、手のつけ根で肩甲骨の間を早くたたく。それでも、取れないときは、あおむけにして乳頭を結ぶ線より指1本下を、2本の指で押す
《1》手のひら全体でなく、手のつけ根の部分でたたくのがコツ
《2》心臓マッサージの要領で押す。子どもを落とさないよう注意
《3》腹部を突き上げるときは、体を密着させるのがポイント。妊婦や1歳未満の子どもには、内臓損傷の危険があるのでやってはいけない
1歳以上は、背中をたたく方法と共に、腹部を突き上げる方法を行う。後ろから上半身を抱くようにし、片方の手で握りこぶしを作り親指の方をへそとみぞおちの間に置く。他方の手を添え、斜め上方に瞬時に引き上げる。
掃除機を使う人もいるが、同協会では勧めていない。ノズルなどで口の中をけがすることもあるからだ。
最近は日本特有の救命法として、掃除機を使う吸引法がメディアで取り上げられていますね。おそらく効果はあるのでしょう。ただ押しただけでは出てこないもの(餅とか)の場合もありますから。しかしながら口の中を怪我することもあるそうなので、注意が必要…って別に命を助けるためなら怪我ぐらいいいと思うんですが。もし掃除機が周辺にあったら利用するのも手です。
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