2007年05月31日

広範囲薬剤耐性の結核に感染していながらも渡航しようとした男性

感染知りながら欧州渡航の米結核患者隔離

 抗生物質に耐性を持つ広範囲薬剤耐性(XDR)の結核菌に感染し、海外に渡航していた米国人男性が、当地の病院に隔離された。米疾病予防センター(CDC)関係者が、5月29日に明らかにした。

 男性はアトランタの地元紙に対し、保健当局から渡航を見合わせるよう助言されたと述べており、男性が渡航以前に結核感染を認識していたことが明るみになった。当局は男性の渡航目的が、新婚旅行であることを把握していた。

 CDC関係者が5月30日、CNNに語ったところによると、保健当局は結核感染者が、他者に感染を拡大する状況を避けると信頼して対応する。このため男性も渡航を見合わせるよう当局から警告されていたが、結局これを振り切った。男性が結核菌を他人にうつす可能性は高くなかったものの、危険性は少し残っていた。

 米連邦政府が個人を隔離したのは40年ぶりのため、CDCは今後対策を決める。また、男性が搭乗した国際便の乗員・乗客に検査を受けるよう呼びかけている。



 これはないわー。結核を過去の病気だと思い込んでいる人ってかなり多いと思います。ですが現状として、結核は再度猛威を奮う危険性をはらんでいるのです。

 結核の流行が収束した背景には、抗生物質の進歩というものがありましたが、最近、その抗生物質のほとんどに耐性を持つ菌が出現しているのです。

 で、今回の男性が感染していたのがソレ。しかも別の国に行こうとしていたということで、隔離は妥当だったと思います。もうちょっと危機感もってほしいですね。

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posted by さじ at 23:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染
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