2007年05月30日

がん治療のエキスパート、がん認定医の資格を創設する。

がん治療認定医を創設

 がんについて幅広い知識を持つ医師を増やし、全国どこでも、一定レベル以上の治療が受けられる体制を作るため、日本癌学会など3学会と全国がんセンター協議会は、「がん治療認定医制度」を創設した。

 来年1月に初の認定試験を実施し、10年で数万人の認定医を医療の現場に送り出すという。

 がん治療に関しては、臓器や治療法によって専門が細分化され過ぎ、患者が最善の治療法を探しにくいのが現状。学会ごとに認定医・専門医制度を設けているが、「専門以外は門外漢」という医師が多い。外科が専門で、放射線治療や緩和医療について十分な知識がなかったり、血液内科の専門でなければ、白血病などの治療法に疎かったりと、主治医によって、患者の病状にあった治療や情報にたどり着けない恐れがあった。

 また、地域によっては、専門医がおらず、その分野の最新の治療情報が手に入りにくいという問題も指摘されている。

 4団体は昨年12月、学会の枠を超えて、「日本がん治療認定医機構」を設立。がんの初期診療から緩和医療まで幅広く対応でき、最新の治療法も紹介できる医師を養成することにした。

 認定医になるには、がんセンターなど機構認定の病院で2年間の研修を行ったうえで、学会や機構が開催する教育セミナーで基礎的な治療法から患者や家族とのコミュニケーション方法までを学ぶ。さらに、機構の実施する試験に合格しなければならない。機構は「必要な治療を求めて、病院を渡り歩く『がん難民』をなくし、どこでも安心して、がん治療を受けられるようにしたい」としている。



 現状としましては、日本ではがんのエキスパートはほとんどいません。例えば胃癌なら消化器内科医や消化器外科医が、肺癌なら呼吸器内科医や呼吸器外科医が担当しているのが現状です。つまり臓器別に診ているわけです。

 勿論彼らは、他の臓器の疾患もみるわけです。しかしがん認定医は癌のエキスパート。そのメリットはというと、まずは何といっても適切な治療が出来ること。こういうと今の内科医が出来ていないみたいですが、「癌の専門的な知識をもって幅広いケースに対応できる医師」というとなかなかいないのではないでしょうか。例えば今でも内科に所属していて、癌を専門で扱っている人となれば別ですが。

 特に抗がん剤などの化学療法、放射線療法において非常に重宝するでしょうね。個々にすばやく対応できると思います。

 最後に、癌の治療というのは「治す」ことだけではありません。癌と付き合っていく、すなわちホスピスなどの緩和ケアを利用することも手段の1つなのです。日本はここらへんがあまり浸透していないなぁと感じますが、それもがん認定医が誕生すれば解消されるでしょう。死を受容することで最後まで自分らしく「生きる」ことも、選択の1つなのです。

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posted by さじ at 22:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん
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