2007年05月27日

癌の疑いのある腎臓を移植した、勇気ある秋田大学医学部に拍手。

がん疑いの腎臓移植 患者は承諾、術後「良性」 秋田大

 秋田大学医学部付属病院(秋田市)で昨年9月、がんの疑いがある腫瘍の見つかった母親(64)の腎臓を摘出し、腫瘍を切除した上で長男(39)に移植する生体腎移植を行っていたことが分かった。移植後の組織検査の結果、腫瘍は良性と判明したが、病院側は事前に、がんだった場合は転移の可能性がゼロではないことを文書で患者に説明し、同意を得て実施していた。病院は「がんであっても、形状などから転移のリスクは低いと判断した」としている。

 昨年11月に表面化した宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)などの病腎移植例以外で、がんの疑いのある腎移植が表面化したのは国内では初めて。厚生労働省は、がんの病腎移植を一般医療で行うことを禁じる指針作りを進めている。

 大学によると、長男は平成17年、慢性腎炎が悪化して腎不全となり、18年4月には週3回の血液透析が必要となった既婚で子供が3人いるが、働けない状態となり、移植による腎機能回復を強く望んだという。

 母親が提供に同意したが、CT検査の結果、左腎臓にがんの疑いがある直径約1センチの腫瘍があることが同年6月に判明。腫瘍のない右の腎臓を移植すれば、母親が腎不全に陥る恐れがあるため、病院側は左腎移植の可能性を模索した。米国の文献などを参考に、腫瘍の大きさや形状から、悪性度の低い「明細胞腺がん」か「乳頭状腺がん」であれば、部分切除で転移の可能性が低いと判断した。泌尿器科の羽渕友則教授が最終判断し、第三者による倫理審査などは行わなかったという。

 病院側は手術に先立ち、通常の生体腎移植の患者に対する説明・同意手続きのほかに、がん転移のリスクに関する追加説明文書を作成し、同意署名を得た。

 手術は昨年9月26日に実施。まず母親の左腎を摘出して腫瘍をくり抜き、顕微鏡による迅速病理診断を実施。その結果、悪性度の高い「紡錘細胞がん」ではないことが分かり、改めて長男に口頭で説明。同意を得た上で移植した。

 移植後の病理診断で、腫瘍はがんではなかったことが確定した。長男の腎機能は回復し、母親の経過も良好という。

 羽渕教授は、「腎がんにもいくつかの種類がある。指針には従うが、がんの病腎移植が一律に禁止されれば、こうしたケースの患者を救うことは非常に難しくなる」と話している。



 問題視することは何もありませんね。むしろ泌尿器科の羽渕友則教授の適切な判断に最大限の賛辞を送りたいと思います。

 学会という大きな組織としては、移植した腎臓に異常があって命を落とすとバッシングが来るために、病気腎の移植を拒否する姿勢ですが、それはマクロ的にみた医療での正論であって、実際の臨床現場とは食い違います。

 既婚で子供が3人、そして週3の透析を受ける為、満足に働けない状態となり、移植による腎機能回復を強く望んでいる患者がいて、絶対数の不足している「脳死による腎移植」ができるわけもなく、頼みの綱の生体腎移植も病気腎であった。医者が患者のことを親身に考え、患者と充分な話し合いもできたわけです。患者からすればまさに救いの手でしょう。学会や世論に抵抗してまで踏み切った羽渕友則教授は良医であるといえましょう。

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posted by さじ at 22:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん
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