2007年05月22日

JFE健康保険組合川鉄千葉病院の研修医が違法バイト診療。

研修医 違法バイト診療…千葉マリン球場で

 JFE健康保険組合川鉄千葉病院(千葉市中央区、360床)が2005年から、同市内の千葉マリンスタジアム内にある診療所に臨床研修医を派遣し、「アルバイト診療」に従事させていたことがわかった。経験の浅い研修医による医療事故が相次いだことを受け、04年施行の改正医師法で、研修医の「アルバイト診療」は禁止されている。病院が組織的に研修医の違法バイトに関与しており、厚生労働省も実態調査を始めた。

 川鉄千葉病院によると、プロ野球の公式戦開催時などに、月に1、2回程度、研修2年目の医師を球場内の診療所に派遣し、打球が当たってけがをしたり、体調不良を訴えたりする観客の治療に当たらせていた。研修医の派遣は05年8月から始まり、これまでに8人。05年度は4回、06年度11回、07年度3回の計18回で、うち16回は研修医が一人で診療していたという。病院は今月後半にも派遣を予定していたが、中止した。

 以前の研修医は、月収が少ない人だと10万円を切っていたため、アルバイトをせざるを得ず、研修にも専念できない状況があった。また、研修医の初歩的な診断ミスや投薬ミスによる医療事故が続発したため、厚労省は医師法を改正し、04年度から、研修費用の補助金を大幅増額して待遇改善を図り、臨床研修を必修化。研修への専念も義務づけた。

 同病院も昨年度、国から計728万6000円の補助金を受けていたが、研修医は、月34万3000円の基本手当とは別に、診療所から1回につき3万5000円〜4万円の報酬を受け取っていた。

 アルバイト診療をしていた研修医の一人は読売新聞の取材に対し、「病院の実習として行かせてもらっている。一人で診療することに不安はない」と話した。

 研修医の違法バイトを巡っては、兵庫医大病院の研修医9人が別の病院でアルバイトをしていたことが4月に発覚したが、病院の組織的関与までは認定されなかった。厚労省医師臨床研修推進室は「実態把握に努めたい」としている。

 新研修制度の創設に携わった北村聖・東大病院総合研修センター長の話「研修医のアルバイト診療は、患者にとっても危険で、研修の成果も上がらないから禁止されたのに、制度の根幹を揺るがす問題だ。球場では打球が胸に当たり亡くなる恐れもあり、研修医が一人で的確な判断ができるとは思えない。研修病院の指定取り消しなども含め、国は厳しく対処するべきだ」



 新しくなる前は、まさに奴隷のようにこき使われた上に、奴隷並みの給料しか貰えませんでしたが、今は生活していくうえでは困らないようになっています。それなのにバイトするというのはマズいですね。

 特筆すべきは、この研修医は一般の研修医よりも給料が高いという点です。大学病院勤めだったら月十数万円程度しか貰えません。月34万円も貰えれば十分です。それでもバイトをさせてしまう、病院側の姿勢に問題があるといわざるをえません。

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posted by さじ at 21:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS
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