2007年05月17日

フィリピン貧困層の10人が「日本人に腎臓を売った」と証言

比でドナー10人証言「日本人に腎臓売った」

 腎臓売買を事実上公認する制度を検討しているフィリピンで、同国の貧困層から少なくとも10人の日本人が腎臓を購入した疑いがあることが、粟屋剛・岡山大学大学院教授(生命倫理学)の現地調査でわかった。

 日本の臓器移植法は国内外を問わず臓器売買を禁じており、厚生労働省も、事実関係を確認する方針だ。

 粟屋教授は、今月5〜6日、マニラ首都圏の貧困地区4か所で、国立フィリピン大の教授らと共に腎臓の提供者(ドナー)72人に対する聞き取り調査を行った。その結果、提供相手の患者は72人中29人が外国人で、このうち、「患者は日本人」と証言したドナーは10人と最多だった。ドナーは謝礼名目などで金銭を受け取ったことを認めているという。提供相手の外国人患者の国籍はほかに中国、豪州など判明分だけで6か国に上った。

 腎臓提供後の健康状態については、「術後の健康診断に行った」ドナーは20人のみで、ドナーの健康管理がおろそかになっている実態も浮き彫りになった。

 フィリピンでは臓器売買の仲介者を取り締まる法律はあるが、ドナーや患者の売買関与を禁じる法律はないため、闇の売買が横行している。売買を禁じる日本の臓器移植法では、手術費に要する経費以外は対価となる可能性があり、違反した場合は500万円以下の罰金か5年以下の懲役が科される。

 粟屋教授は「最近でも日本人が渡航して移植している可能性があり、今後も継続して調査する」と話している。厚生労働省も「粟屋教授に調査内容を詳しく聞き、事実関係を把握したい」としている。



 闇の売買が横行するような法体制のフィリピンが悪いのか、それとも臓器移植法の改正を審議すらしないで放置している日本が悪いのか。

 何度も言ってますけど、一番いいのは、日本国内でまかなえるような法整備が行われることです。自国内の制度を見直しすらしないで、フィリピンに行くなというのは、政治家の怠慢に他ならないと思います。

関連:
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posted by さじ at 00:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植
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