2007年04月30日

白血病治療薬解析プロジェクト「UD」、突然の活動終了を発表。

「UD Agent」プロジェクトが日本時間28日に活動終了

 インターネットに接続されたパソコンの余剰能力を集結し、白血病やがんの治療薬研究のためにデータ解析を行うプロジェクト“Grid.org”は25日、米国中部標準時の27日正午(日本時間では28日午前3時)に活動終了することを公式フォーラムで発表した。すでにクライアントソフト「UD Agent」はダウンロードできなくなっており、27日にはフォーラムも閉鎖するという。

 「UD Agent」は、大規模なデータ処理を、ネットワークに接続されたパソコン同士で少しずつ分担して行う“分散コンピューティング”の老舗。2000年の活動開始以降、日本からも多くのユーザーが参加していた。

 発表によると終了の理由は、分散コンピューティングの有益性と実現可能性を実証するという使命を果たしたためとのこと。しかし同時に、実施予定だった2つの解析プロジェクトが、諸事情により実現できなかったことも明かしている。

 27日以降、「UD Agent」は解析を行わなくなるため、ソフトをアンインストールするよう勧められている。また、各ユーザーが自分の解析実績などを確認するために、活動終了後も1週間はサーバーを稼働し続けるという。



 「UD」が出てもう7年になるんですね。私は2001年〜2002年ぐらいまでやっていましたが、UDをインストールしていたノートパソコンが壊れたことと、このプロジェクトの先が見えなかったことから途中で止めてしまいました。

 UDは、白血病治療薬として使えそうなたんぱく質を解析するソフトです。しかし何年経っても「あと何年ぐらいかかる」というアナウンスがなかったので、何でなんだろうかと思いました。世界中のコンピューターを用いて膨大な量のデータを解析しているはずなのに、何故先が見えないのか、と。途中、炭疽菌の治療薬解析などもありましたね…。

 そして日本の、Team2chが世界一の解析数を誇り、トップ爆走状態のまま、UD終了のお知らせとなりました。メンバーは何故突然終了したのか戸惑っていると思われます。要するに雑誌でいうところの休刊ということでしょうか。成果が出たのなら良いのですが、実験が途方もなく膨大になりすぎたため、もしくは効果が期待されないために終了となってしまったとすると少し…。せめて具体的な理由を明かしてほしかったです。

 ただ、今回の件を正直に「失敗」と認め、更にこの巨大なパワーを新たに医療のために役立てて欲しいと願っている率直さは評価したいと思います。何にでも失敗はありますし、何よりGrid.orgがあったおかげで、分散コンピューターによるたんぱく質解析が可能であるといえるようなものですから。

 Team2chの次の移行先としてはBONICが有力なようです。今までUDを導入していなかった方も、この機会に参加してみてはいかがでしょうか。導入方法はさほど難しくありません。使っていないマシンパワーを利用して夢の治療薬を発見する試みは、まだ始まったばかりです。

 最後に、私が好きだったUD支援FLASHを3つご紹介。どういう活動なのか、明確に分かると思います。

参考:UD支援FLASH
[Team2chCM−History−]
::::Godbless...All the Patients!!::::
Melodies of Life
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posted by さじ at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理
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